欧州トップ15クラブの最新スタイル【インテル】堅守速攻の完成度が上がらず…

2014年10月23日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

堅守を保てずカウンターを繰り出せない悪循環。

 3バックの使い手であるマッザーリ監督が志向するのは、ポゼッションには必要以上にこだわらず、奪ったボールを無駄なく前に運ぶ堅守速攻。そのスタイルに合致する肉体派のメデル、エムビラ、ヴィディッチなどを加えた就任2年目の今シーズンは、戦術的完成度の向上が見込まれた。
 
 しかし、ここまでは期待を大きく下回る。一方的な展開となり試合途中に戦意を喪失したサッスオーロに大量7ゴールを浴びせた2節を除けば、1試合平均の得点は0.8で、失点は1.6。とりわけカリアリに1-4、フィオレンティーナに0-3と大敗したここ2試合は、頼みの綱の堅守を保てずカウンターを繰り出せないという、悪循環に陥った。
 
 速攻で輝くスピードスターのパラシオと、WBの攻撃参加が肝のマッザーリ戦術で昨シーズンはキーマンとなった長友のコンディション不良など、エクスキューズはある。だが、攻撃陣で最もクオリティーが高いコバチッチがボールを受けても周囲と連動できないなど、戦術的な不備も少なくない。マッザーリ監督の手腕が改めて問われる。
 
(ワールドサッカーダイジェスト2014.11.6号より)
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