ナポリの19歳を襲った悲劇…セリエAデビューに喜びすぎて隣人トラブルに巻き込まれた最愛の祖母が急逝

2019年05月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

セリエAデビューの裏で…

嬉しいセリエAデビューを飾ったガエターノ。しかし、その直後に彼のもとに舞い込んだのは悲しい知らせだった。 (C) Getty Images

 セリエA第36節、敵地でスパルと対戦したナポリのカルロ・アンチェロッティ監督は、88分に勝ち越すと、後半アディショナルタイム1分にイタリアU-19代表MFのジャンルカ・ガエターノを投入した。

 19歳の若者は、これがセリエAでのデビュー戦。終了間際の途中出場だったが、ガエターノにとっては幸せな5分間だったに違いない。スタンドで観戦した父親も有頂天だったことだろう。

 この2019年5月12日のことを、彼は生涯忘れないはずだ。だが、それは、デビューの喜びからだけではない。思わぬ悲劇で、幸せの頂点から突き落とされた日にもなったからだ。最愛の祖母が急逝したのである。

 イタリア紙『Il Mattino』の報道として衛星放送『Sky Sport』が伝えたところによると、ガエターノがデビューを果たしたのを受け、テレビ観戦していた親族は大いに喜んだ。しかし、感激のあまり外で花火を使って騒いだことが、近隣住民の怒りを買い、警察を呼んでのトラブルになってしまったという。

 すると、心配して様子を見にきた67歳の祖母が不調を訴える。すぐに医者が呼ばれ、病院に運ばれたが、心臓発作でそのまま帰らぬ人となった。
 
『Sky Sport』によると、ガエターノが悲報を聞いたのは、試合後のロッカールームではなく、遠征から戻る時だったそうだ。家族からの知らせを受けたアンチェロッティ監督とクリスティアーノ・ジュントリSDがつらい役目を負ったという。

 14日、ガエターノはSNSで、「僕のデビューを見てくれたけど、僕は最後に会えなかった。すべてを感謝している」とコメントし、「特別なおばあちゃん」にメッセージを送った。

「ありがとう。最後に会えなかったこと、そして強く抱きしめることができなかったのが残念だ。おばあちゃん、大好きだよ。安らかに。あなたはずっと僕と一緒だ。ずっと僕の心にいる」

 今後、ガエターノがプロサッカー選手としてどのようなキャリアを過ごすかは、だれにも分からない。だがきっと、天に昇った祖母が、ガエターノのこれからをずっと見守ってくれるはずだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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