リバプールを泣かせた“テクノロジー”。マンCとの明暗分けたのは「11.7ミリ」と「29.5ミリ」の差だった

2019年05月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

天王山で運命を分けた紙一重の差とは?

リバプール戦で身を挺した渾身のクリアを見せたストーンズ。この決死の守りがなければ、シティはもしかすると……。 (C) Getty Images

 プレミアリーグは現地時間5月12日に最終節が行なわれ、首位マンチェスター・シティが敵地でブライトンを4-1で下し、2位リバプールとの激しいタイトルレースを制して連覇を決めた。

 わずか1ポイント差という史上まれにみるバトルにおいて、両チームの明暗を分けたひとつが、ゴールラインテクノロジー(GLT)による得点判定だった。英公共放送『BBC』が報じている。

 リバプールにとって痛手となったのが、勝点7差で迎えた1月3日の直接対決だ。勝てば10ポイント差、引き分けでも7差維持という天王山で、リバプールは1-2と黒星を喫した。
 
 この試合の結果を左右したのは18分のシーンだ。リバプールは先制に迫ったものの、ゴールラインぎりぎりで相手CBジョン・ストーンズにクリアされた。この時、「ノーゴール」の判定を下したGLTによれば、ボールがラインにかかっていたのは、わずか11.7ミリ。たった1センチ強の差で、リバプールは得点に至らなかったのだ。

 ピンチを免れたシティは、セルヒオ・アグエロが前半のうちに先制点を奪取。一度は追いつかれたが、レロイ・ザネの決勝点で大一番を制し、リバプールに今シーズン唯一の土をつけた。

 さらに、シティは4月28日のバーンリー戦(プレミア第36節)で、セルヒオ・アグエロのシュートがマシュー・ロートンに阻まれたものの、GLTで得点が認められた。この時、ボールとラインの差は、29.51ミリだった。ラインを3センチ弱だけ越えたこのゴールで、シティは1-0と試合を制している。

 勝負の世界で「たら・れば」は禁物だ。そもそも、天王山でリバプールが先制していたとしても、試合結果は変わらなかったかもしれない。バーンリー戦でアグエロの得点が認められなくても、それでシティが勝ち点を落としていたとは限らない。

 それでも、勝点1差という歴史に残るタイトルレースだっただけに、悲願となる29年ぶりの国内リーグ制覇を逃したリバプール陣営やそのファンにとっては、恨めしい11.7ミリ、恨めしい29.51ミリとなったに違いない。

 果たして、その悔しさを、ユルゲン・クロップ監督と選手たちは来シーズンに晴らすことができるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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