「ファンの忠誠心につけ込むな!」CL&EL決勝の開催地やチケット分配問題でプレミア勢がUEFAに怒り

2019年05月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

ポチェティーノはホテルを取れずに「クレイジー」と訴える

プレミアリーグ勢に独占された今シーズンのCLとELの決勝だが、その大一番を前に浮上した問題に不満が続出している。 (C) Getty Images

 今シーズンのチャンピオンズ・リーグ(CL)とヨーロッパリーグ(EL)の決勝は、プレミアリーグ勢が独占した。

 リバプールとトッテナムがスペインの首都マドリードでCL決勝を、アーセナルとチェルシーがアゼルバイジャンのバクーでEL決勝を戦う。両大会のファイナリストがいずれも同じ国のチームになったのは、史上初のことだ。

 しかし、思わぬ問題も発生しているようだ。英公共放送「BBC」によると、4チームのサポータークラブや関係者は、決勝の開催地やチケット分配に不満を抱いており、主催者のヨーロッパ・サッカー連盟(UEFA)を非難しているという。

 EL決勝の地バクーは、イングランドから遠く、ファンはビザの取得が必要なうえに、安くない移動コストも払わなければならない。昨シーズンのCL決勝をキエフで戦ったリバプールのユルゲン・クロップ監督は、「どうしてキエフやバクーで決勝をする?」と、「合理的で分別のある」決断を呼びかけた。

 もちろん、観戦者たちは、宿泊先を見つけるのもひと苦労だ。トッテナムのマウリシオ・ポチェティーノ監督は、家族のためにホテルを探そうとしたが、「価格はクレイジーなものだった」と明かしている。関係者ですら、この始末であることを考えれば、一般的なサポーターたちが宿泊施設を探すのはかなり難しいはずだ。
 
 また、CL決勝チケットは、6万8000席のうち、両チームに割り当てられたのが3万3326枚。EL決勝に至っては、6万8700席のうち、わずか1万2000枚しか割り当てられていない。それ以外のチケットはUEFAや各国協会、商業パートナーや放送局などに回る。すでにオンラインでは高額で転売されているチケットもあるようだ。

 一連の問題から不満を溜め込んだリバプールとトッテナムのサポータークラブは共同声明で、「ファンの忠誠につけ込むのは終わりにすべき」と主張。チケット分配や価格設定に透明性を求めたると、これにアーセナルのサポータークラブも同調し、「我々に対する態度やその扱い方には、抜本的な見直しが必要だ」とUEFAを批判している。

 チェルシーのサポータークラブも割り当てが「まったくもって不適当」と訴え、メンバーのひとりは「BBC」に「最悪の場所」と、イングランドからのアクセスが悪いバクーを決勝開催地にしたことを批判した。

 開催を前にネガティブな話題を振りまいている今シーズンのCLとELのファイナルは、いかなる決着がつくのか。注目の一戦は、ELが5月29日、CLが6月1日に開催される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事