鳥栖が鮮烈3ゴールで宮本ガンバを粉砕! 新政権で初勝利を挙げ、逆襲への狼煙を上げる

2019年05月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

クエンカ! 豊田! 原川! 3発ゲットの鳥栖が今季2勝目!

鳥栖の松岡(41番)が今野と激しく競り合う。新政権の下で溌溂とプレーした鳥栖がホームで快勝を飾った。写真:徳原隆元

[J1リーグ第11節]鳥栖 3-1 G大阪/5月11日/駅スタ

 序盤から、両チームとも攻守両面で引き締まった内容を披露した。

 指揮官交代という荒療治に打って出たホームのサガン鳥栖は、豊田&金崎を前線に配備するなど機動性を重視した布陣をチョイス。かたやミッドウイークのルヴァンカップ・清水戦で3-1快勝を収めたガンバ大阪は、今野、倉田、遠藤の中盤トリオが揃い踏みの4-2-3-1で臨んだ。

 互いにエネルギッシュに仕掛けた両雄ながら、ビッグチャンスを掴むには至らない。手数を掛けずに早めにそれぞれ、豊田、ファン・ウィジョにボールを当てるも、最後の局面での連動性を欠いた。

 そんななか均衡を破ったのは、6試合連続で得点なしという極度のゴール欠乏症に悩む鳥栖だった。16分、左CKから原川が放った鋭い球に対して、相手GK東口が目測を誤って触れず、ファーでドフリーで待ち受けたクエンカが難なく頭でねじ込んだ。ようやくの今季チーム2点目で、鳥栖が幸先良く先制する。

 その後はG大阪がボール支配を高めて攻勢を強めるも、シュートを撃つ場面は乏しく、脅威とはならない。徐々に苦し紛れのミドルパスを多用するようになり、鳥栖DF陣にとっては与しやすい単調な組み立てに。30分にカウンターからファン・ウィジョが切れ込んで、中央のアデミウソンに折り返したが、力のないシュートは枠を外れた。

 一方、効果的なショートカウンターを狙う鳥栖は33分にクエンカがエリア内に切り込めば、36分には原川が裏に抜け出して決定機を迎える。ともに寸手でDFのブロックに阻まれたが、的確な潰しからの速攻を頻発させた。

 
 1点のビハインドを背負うG大阪は、後半頭から遠藤に代えて食野を投入。J3(U-23チーム)で得点ランクトップの8得点を挙げている上昇株を前線に配備した。ただそれでも攻撃の閉塞感は改善されず、イライラを募らせたファン・ウィジョとアデミウソンがラフプレーで警告を受けてしまう。守っては菅沼のクリアミスから56分に金崎に得点機を提供(東口が好セーブ)するなど、ドタバタが続いた。

 64分にG大阪は食野が鋭いカットインから強烈なミドルを放つ。鳥栖GK高丘に阻止されるも、初めてゴールチャンスを得る。にわかにリスタートの機会も増えて見せ場を創出し、71分には関西大在学中の特別指定選手、左SB黒川をも投じて刺激を与えたが……。鳥栖の堅牢を崩せなかった。

 すると72分、なかなか好機をモノにできなかった鳥栖が貴重な追加点をゲットする。クエンカのクロスが菅沼のエリア内でのハンドを誘い、これがPKに。豊田が冷静に蹴り込み、リードを広げた。以降は専守防衛でG大阪の攻撃の芽を摘み、87分にアデミウソンに豪快弾を放たれるも、これはバーに救われる。そして88分、カウンターから途中出場のF・トーレスが放ったシュートがこぼれ、原川がダメ押し弾。快勝劇に華を添えた。

 アディショナルタイムに食野のゴラッソを食らうも、本拠地で力強く反撃の狼煙を上げ、7試合ぶりの3ポイントを奪取した鳥栖。かたや不甲斐ない戦いぶりで、7戦白星なしの窮地に立つG大阪。前者の最下位は変わらないが、双方の勝点差は「1」に縮まっている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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