ともにイタリアの首都をホームタウンとするローマとラツィオの激しいライバル関係は、周知の事実だ。だからこそ、あるラツィオ・サポーターの女の子に対するローマ主将の"神対応"には価値がある。

　あるラツィオ・ファンの男性が先日、自身のSNSにローマ・ファンの愛娘とダニエレ・デ・ロッシの２ショット写真を投稿した。この写真を撮るまでには、ひと悶着あったという。

　きっかけは、５月４日に親子がローマ中心部のショップでデ・ロッシを見つけたことだった。恥ずかしがる娘のために、父親は店に入ってデ・ロッシに近づこうとした。だが、店員に"乱暴に"つまみ出されてしまう。あきらめない父親は、数分後に再び入店を試みるも、再び店員に追い出されかけた。

　そこに登場したのが、デ・ロッシだ。ローマのキャプテンは父親を呼び止め、娘とのセルフィーに応じた。それだけではない。それまでに自分が出てこなかったことを詫びるような態度だったという。その姿に、店員のほうが困惑していたそうだ。
 

　ラツィオ・ファンの父親は「前任者（フランチェスコ・トッティ）と違い、デ・ロッシはまさしくローマのキャプテンであり、我々ラツィオ・サポーターに敬意を示してくれた」と、宿敵の主将に大きな賛辞を寄せた。

「デ・ロッシは本物の紳士であり、アゴスティーノ・ディ・バルトロメイ（82-82シーズンのスクデットに貢献したローマのレジェンド）の後継者としてふさわしい。家族を代表して、『ありがとう』と言いたい」

　７月に36歳となるデ・ロッシは、現契約が今シーズンいっぱいまでとなっており、ローマとの契約を延長するのか、国外に移籍するのか、あるいはユニホームを脱いでローマで指導者に転身するかが注目されている。

　デ・ロッシがいずれの道を選ぶにしても、そのスピリットが受け継がれるのを願うばかりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部