番記者が選ぶ、平成のサンフレッチェ広島ベスト11! Jリーグを席巻した08年メンバーを中心にセレクト!

2019年05月01日 中野和也

J1初優勝から誰も想像しなかった黄金期へ

中野氏が選んだサンフレッチェ広島の平成ベストイレブン。

【ベスト11選出理由】
クラブ史上最強と考える08年のチームをベースに、優勝に貢献した柏やミキッチ、塩谷らを加えた。指揮官は三度の優勝に導いた森保にも敬意を表しつつ、開拓者であるペトロヴィッチに。
 
 
【サンフレッチェ広島の平成史】
 雨上がりのホームスタジアムに美しい虹がかかった。陽光が緑の芝生を照らした美しいピッチの上で、髙萩洋次郎、青山敏弘、佐藤寿人、石川大徳が次々とゴールし、C大阪に勝利。歓喜はまだない。雨がまた降り出した。突然、紫の選手たちがピッチに飛び出す。寿人は芝生に顔を突っ伏して号泣し、福島県出身の髙萩は東日本大震災の犠牲者を想い、祈りを捧げた。そして苦難の時代を知る和幸と浩司の森﨑兄弟が、チャンピオンフラッグを手にして笑った。
 
 J1初優勝が決まったその瞬間から平成27年までの4年間で三度もJ1王者に輝くとは、誰も想像しえなかった。Jリーグ創設2年目にステージ優勝を飾っていたものの、以降は低迷を余儀なくされていたからだ。デオデオ(現エディオン)社長の久保允誉氏が経営を預かった平成10年以降にクラブの体質改善は進んだ。それでも二度の降格を経験するなど、苦難の連続だった。
 
 その時期に就任した名将ミハイロ・ペトロヴィッチの大胆さと、後を引き継いだ森保一監督のソリッドさが融合すると同時に、広島で育った選手と移籍で加わった選手たちのバランスが整った結果、クラブ史に燦然と輝く黄金期を謳歌できたのである。
 
取材・文●中野和也(紫熊倶楽部)
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