【移籍市場超速報】逸材ラビオの去就に新展開。パリSGと契約更新の可能性も

2014年10月13日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

契約満了を迎えた場合にはユーベとアーセナルが有力候補に?

退団の意思を固めたと伝えられていたラビオだが、パリSGとの契約更新を検討しはじめたという。 (C) Getty Images

【パリSG】ラビオに3年間の契約延長をオファー
 
 今シーズン末でパリSGとの契約が切れるアドリアン・ラビオの去就については、今年の春以降様々な憶測が流れてソープオペラのような様相を呈している。
 
 通常と事情が多少異なるのは、ラビオはエージェントと契約しておらず、母親が代理人として直接クラブ(あるいはクラブから依頼を受けた代理人)との交渉に当たっているという点。先頃、ローマのワルテル・サバティーニSDとその片腕フレデリック・マッサーラがローマ・テルミニ駅側近くのホテルでラビオ側と話し合いを持ったと伝えられたが、ここに母親は同席しておらず、実際にはローマ側と、その任を受けてラビオの母親とコンタクトを取っている代理人との作戦会議だった。
 
 ローマとラビオ側との話し合いは、その後大きな進展を見せていないというのが現状だ。逆に最も新しい情報は、ラビオ側がはじめてパリSGとの契約更新を検討し始めたというもの。パリSGは1月に他のクラブにレンタルして出場機会を確保するという前提で、2018年まで3年間の契約延長をオファーしている。
 
 このオファーにラビオ側がどう答えるかで、今後の展開が大きく左右されるのは間違いない。契約更新しない場合には、1月にローマがパリSGに移籍金を支払って完全移籍で獲得するというのが、今のところ最も有力なシナリオ。もしラビオ側がローマへの移籍に納得せず、来年6月の契約満了を迎えた場合には、ユベントスとアーセナルが最有力候補に躍り出るだろう。
 
 ローマ移籍にかかわる唯一の障害は、すでに中盤の戦力が充実しているがゆえに、移籍しても出場機会が保証される可能性が低いということだが……。
 
【UEFA】CLシード権が2015−16シーズンから変更に?
 
 UEFAは12月にスイス・ニヨンの本部で開かれる理事会に、2015-16シーズンから17-18シーズンまでの1サイクル3シーズンについて、チャンピオンズ・リーグのグループステージのシード方式変更案を諮る方針だ。これはジャンニ・インファンティーノ事務局長が、ロンドンで行なわれた「リーダーズ・イン・フットボール」というイベントで明らかにしたもの。
 
 CLグループステージのシード方式は現在、過去5シーズンの欧州カップ戦における実績に基づくUEFAクラブランキングに応じて、第1シードから順に割り振る仕組みとなっている。これに対し変更案は、第1シードの8枠を前年優勝クラブ、およびUEFAカントリーランキング上位7か国(現時点のランキングに従えばスペイン、イングランド、ドイツ、イタリア、ポルトガル、フランス、ロシア)のリーグ優勝チームに割り当てるというもの。
 
 これによって、今シーズンのスペインのように、1か国から3つものクラブが第1シードに入るという事態が回避される一方、強豪クラブが第2、第3シードに回る確率が高まるため、競争の厳しい「死のグループ」が増える可能性もある。

【翻訳】
片野道郎
 
翻訳者からのごあいさつ
 イタリアのスポーツ専門局『SkySport』を舞台に活躍するジャンルカ・ディ・マルツィオは、移籍専門記者という新たなジャンルを独力で切り開いた草分けにして、他をまったく寄せ付けないトップランナーです。
 
 イタリア国内ではすでに数年前から超メジャーな存在でしたが、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラ監督のバイエルン入りという大スクープをものにして、一躍ヨーロッパ中でその名を知られるようになりました。その後も、ウィリアン(当時シャフタール・ドネツク)がトッテナムからチェルシーに寝返った顛末など、イタリアにいながらワールドワイドな移籍情報をいくつもスクープしています。
 
 セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち(iPhoneのアドレス帳には3000人以上のコンタクトが入っています)、他の記者には絶対入手できないディープな情報をキャッチ。素晴らしいのは、しっかり裏が取れるまでは決して情報を出さないところです。
 
 ご存じの通り、世界中を飛び交っている移籍関連ニュースの大半は、誰かの願望や思惑に基づくただの噂でありそれ以上ではありませんが、ディ・マルツィオが発信するニュースは、すべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではありません。移籍ネタに関しては、どんなにありそうな話でもディ・マルツィオが書くまでは嘘か本当かわからない、どんなにあり得ない話でもディ・マルツィオが書いたら本当、というのが、もはやこの業界の常識になっているくらいです。
 
 ツイッターのフォロワーは全世界で約30万人。日本では13年7月から『ワールドサッカーダイジェスト』誌に連載コラムを寄稿しています。先月、この連載を休載した時には、日本のフォロワーからいくつも問い合わせのリプライが飛んで来たほどの人気です。
 
 そんなディ・マルツィオのオフィシャルサイト『gianlucadimarzio.com』から、移籍関連を中心とする最新ニュースを毎日厳選してお伝えするのがこのコーナー。サプライズはあっても「ガセ」はありませんから、安心してお読みください。(片野道郎)
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