英2部で前代未聞の“珍事”! 智将ビエルサが自軍にゴールを許すように指示…一体なぜ?

2019年04月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

智将ビエルサの振る舞いが波紋を広げる。

リーズとアストン・ビラの両軍は、ゴールの正当性を巡って掴み合いの大騒動に至った。 (C)REUTERS/ AFLO

 英国で前代未聞の"珍事"が発生した。

 問題のシーンが起きたのは、現地時間4月28日に開催されたチャンピオンシップ(イングランド2部)の第45節、リーズとアストン・ビラの一戦だ。

 スコアレスで迎えた72分、ホームのリーズがマテウズ・クリヒのゴールで先制する。しかし、このゴールの直前の接触プレーで、アストン・ビラのジョナタン・コジアが負傷していた。アウェーチームはプレーの中断を訴えていたが、リーズ側は止めずにゴールを奪ったのだ。

 このリーズの振る舞いに激怒したアストン・ビラの選手たちが、得点を奪ったクリヒに掴みかかり、両軍が入り乱れる大騒動がピッチ上で勃発。相手選手を突き飛ばしたアストン・ビラのオランダ人FWエル・ガジが一発退場となるなど、試合は大混乱に陥った。

 この直後だった。相手ベンチから抗議を受けたリーズの指揮官マルセロ・ビエルサは、なんと自軍の選手たちに相手にゴールを許すように指示。そしてリスタートからアストン・ビラのアルバート・アドマーが一切の阻害をされずに同点ゴールを決めたのだ。
 
 結局、試合は1-1で決着。この前代未聞の騒動に英メディアも、「カオスが発生した」(英紙Daily Mail)や「まさかの事態だが、素晴らしいフェアプレーだ」(英紙The Guardian)と書き立てるなか、同点弾を許すように指示したビエルサは次のように語っている。

「英国は紳士の国なんだろう? だからやったまでだよ」

 しかし、この同点弾によってホームで勝ち切れなかったリーズは、同時刻にキックオフしていた試合に勝利していた2位シェフィールド・ユナイテッドとの勝点差が5と広がり、プレミアリーグ自動昇格(2位以内)を逃してしまう格好となった。

 昇格プレーオフ(3~6位)進出を決めたとはいえ、自動昇格を逃す結果となっただけに、ビエルサの指示に納得できないリーズ・ファンもいるだろう。いずれにしても、サッカー界屈指の智将が見せた振る舞いは、波紋を広げそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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