「今は家に閉じこもってる」「金じゃ愛情は買えない」不調続きのイグアインが批判への本音を吐露

2019年04月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

入団直後の高評価が一変。

チェルシー残留の雲行きが怪しくなるなか、イグアインが自身に対する批判の声に本音を……。 (C) Getty Images

 恩師を追ってプレミアリーグに足を踏み入れたアルゼンチンの点取り屋は、いまだ、周囲の期待に応えられるような成果を残せていない。

 ゴンサロ・イグアインが新たな挑戦を決意したのは、今年1月のこと。当時、ミランにレンタルされていた31歳のストライカーは、いったん保有元のユベントスに戻ったうえで、ナポリ時代の恩師であるマウリツィオ・サッリが率いるチェルシーへ買い取りオプション付きの期限付き移籍(今シーズン終了まで)でやってきた。

 スタートは上々だった。本拠地スタンフォード・ブリッジでのデビュー戦となった2月2日のハダースフィールド戦(プレミアリーグ第25節)では2ゴールを叩き込み、英国メディアから「やはりイグアインは格が違う。この先の明るい未来を予感させた」(『Evening Standard』紙)と絶賛された。

 しかし、それから約2か月が経過し、イグアインへの評価は一変している。プレミアリーグでの11試合で4ゴールしか挙げられず、期待外れのレッテルを貼られているのだ。

 イグアインは、連日のように批判に晒され、そのせいで気が滅入ってさらに調子を落とすという悪循環に堕ちっているのかもしれない。今月21日に『ESPN』のインタビューに応じたアルゼンチン人FWは、自身に対する批判に不満をぶちまけている。
 
「前まで僕は家に閉じこもって外出を避けるようにしていた。人々から何を言われるかが、恐かったからね。今では家族の助けもあって、批判を乗り越えて外出ができるようになった。一方で、悪いことをしても何も恥じることなく街を闊歩している人間が今もいる。だから、疑問なんだ。何も悪いことはしていない、ただ、スポーツをしている僕らフットボーラーが、なぜ、恐れを感じることなく外出できないのかってね」

 さらに、高給取りであることに対する批判にも反論した。

「人々はいつだって僕に対して、『どうせ稼いだ金で…』って言ってくる。だけど、金じゃ友だちや愛情は買えないんだよ。僕が母親と会うためには15時間以上を必要とする。当然、僕はその飛行機代を払えるが、すぐ愛する人に会えない苦しみを人々は知らない。結局、僕らに対する判断材料は得点をしているかどうかだけ。人々はそれのみで僕らを裁くんだ」

 初挑戦のプレミアリーグで心身ともに疲弊している感が否めないイグアインの動向について、英衛星放送『Sky Sports』は、「残れるかどうかはチェルシーが今後2度に渡って受けるとされている補強禁止処分が確定するか否かにかかっている」と報道している。

 はたして、イグアインは本領を発揮できないまま、チェルシーを去るのか。それともクラブが買い取りオプションを行使し、残留を果たすのか。その最終的な判断を下すために残された時間は、今シーズン終了までのわずかな期間だけだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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