「トラクター2台を要求したのに…」「チケットもくれない」イタリア代表19歳FWの父、名門ユベントスへの不満を暴露

2019年03月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

「彼らは頷いたのに、まだくれないんだ」

ケーンはイタリア代表の将来を嘱望される19歳。父親は「ユーべのために働いたのに…」とクラブへの不満を抱えているようだ。 (C)Getty Images

 イタリア代表は3月26日、EURO2020予選でリヒテンシュタインに6-0と圧勝した。2得点のファビオ・クアリアレッラが最年長得点記録を更新。そして、19歳のモイゼ・ケーンも2試合連続ゴールを奪取した。

 UEFAによれば、イタリアの10代選手が2試合連続でネットを揺らしたのは、1948年ロンドン五輪でのエミーリオ・カプリーレ以来、2人目という。じつに71年ぶりの快挙だ。

 2000年代生まれで初めてチャンピオンズ・リーグ(CL)に出場し、欧州5大リーグで最初に得点を記録したケーンは、イタリアの次世代を担うことが期待されている。

 当初、トリノユースに在籍していたケーンは、父親の手によってユベントスに"移籍"した。父いわく、自身がユベントスのファンで「私は黒人で、血が白だから」だという。

 だがトップチームでの出場機会には恵まれず、ケーンは開幕前、出場機会を求めて移籍する可能性も浮上していた。だが、クラブに残留して鍛錬を続けた結果、今月のウディネーゼ戦でも2得点をマーク。CLでもアトレティコ・マドリーとの大一番で途中投入されるなど、大きく飛躍しつつある。

 ユベントス・サポーターのハートをがっちりとつかんだケーンだが、父親によると、子どものころはインテルを応援していたという。父親はラジオ「Rai Radio1」のインタビューで「オバフェミ・マルティンスが好きだったからね。ユニホームを買ってくれとせがまれたよ」と明かした。

 時が経ち、ケーンのお気に入りは、マリオ・バロテッリだそうだ。だが、父親は「バロテッリのすべてを完全に模倣するなとアドバイスしている」という。

 ケーンを取り巻くすべてのことが順調に見えているが、父親は同ラジオのインタビュー中、ユベントスとの関係に支障をきたしているとも明かした。クラブとかわした約束が守られていないと訴えているのだ。

「私と彼の母親は別れているのだが、彼女は息子をイングランドに連れていきたがったんだ。けれど、私が息子をイタリアに残した。その功績として、ユーベには2台のトラクターを望んだ。彼らは問題ないと受け入れてくれた。だが、まだそれを受け取っていない。それに、彼らは私に(試合の)チケットもくれなくなり、さらには会ってもくれなくなった!」

 ユベントスのファンも、イタリア代表のサポーターも、未来を担うエースの家族が、クラブと揉めごとを起こすことは望まないだろう。輝かしい道を歩みだしたケーンが、周囲の喧騒に振り回されないことを願うばかりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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