イチローへの連絡は「迷っています」 J最年長出場記録を更新した52歳、カズの年齢に対する独自の見解

2019年03月23日 塚越 始

「年齢のことを気にするとマイナスになってしまう」

54分までプレーしたカズ。溌剌とした動きを見せ、自身の物語に終わりを告げるのはまだまだ先になりそうだ。写真:滝川敏之

 横浜FCのカズこと三浦知良が3月23日のJ2・5節の岐阜戦で、52歳25日と史上最年長でのJリーグ出場を先発で果たした。

 スコアレスのまま54分までプレーし、エースストライカーのイバと交代。カズは試合後、「この試合のために準備してきました。監督からは後半5、10分ぐらいまでと言われていましたが、イバにいい形でつなげられました。最低限の仕事はできました」と振り返った。
 
 前節はベンチ外だったが、この試合に備えるためのタヴァレス監督のプランだった。ベンチ入りすることで3日間ほど負荷をかけた練習ができなくなってしまうことを避け、「コンスタントに練習をしていかないと、反応も鈍くなってしまう。常に少しでも練習することが大事になる。そこで監督から『先発かはまだ分からないけれども、そうしたいと考えている』。そうすることで、この試合(岐阜戦)に備えてほしい、と言われました」と、横浜に残って調整してきたそうだ。

 野球界では、シアトル・マリナーズのイチローが21日に45歳での引退を発表。その直後のJリーグの公式戦で、52歳のカズが先発でピッチに立った。
 
「面白いですね。ただ、自分は先発出場にこだわっていますし、90分出るつもりで、グアムキャンプや走り込みをしてきています。いつでもその準備はしておきたいと思います」
 
 試合に『出る』だけが目標ではない。今回のように、勝利につなげる仕事をしていきたいと、改めて強調していた。
 
 年齢の話はあまりしない。ただ、今回52歳での最年長出場について聞かれたキングは、次のように語った。
 
「試合に出る時は、年齢のことを気にするとマイナスになってしまうので、あまり考えないようにしています。でもサッカー人生の中で、出たくても出られない選手もたくさんいます。30、40、50代、いろんな元サッカー選手も、現役選手もいますが、52歳で試合に出ることは羨ましいと思ってくれています。

 そういう意味では、しっかり、自分が準備して、ちゃんとしたサッカーに対するリスペクトを持ってやりたいですし、そのなかでピッチに立てたのは嬉しかった。ただ、今日1日では満足できません。今日のパフォーマンスにも満足することはないので、もっとよくなることを考えて、しっかり練習していきたいと思います」
 
 そのようにカズは、向上心をさらに強めていた。
 
 ちなみにイチローへの連絡は「メールはしていません。迷っています。(引退発表翌日も)練習したんですけれどね、非常に気になります」と考え中とのことだ。
 
取材・文●塚越 始

【横浜FC 2-0 岐阜 PHOTO】カズが先発で今季初出場!横浜FCが今季2勝目を挙げる!

【三浦知良PHOTO】カズが52歳25日で今季初出場。自身の持つJリーグ最年長出場記録を更新!
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事