【釜本邦茂】“旬が過ぎた”ような香川のプレーぶり。試したい中堅や若手がいるなかで今のままでは…

2019年03月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

鈴木武蔵は辛抱強く経験を積ませなければいけない選手

香川は65分に途中出場。後方からのビルドアップから前線に繰り出していくプレーを見せたが、ゴールにはつながらず。(C) SOCCER DIGEST

[キリンチャレンジカップ]日本 0-1 コロンビア/3月22日/日産スタジアム

 キリンチャレンジカップのコロンビア戦は、結果的には世界トップクラスのタレントを揃える相手に0-1の敗戦に終わった。惜敗ではあったけど、私はどこかスッキリしない試合だったね。
 
 もちろん、ボールキープに長けた選手をたくさん並べたから、展開としては互角以上の流れにも見えたし、中島や堂安らが随所に惜しいシュートも放っていた。ただ、鈴木武蔵が途中交代して最前線にポストプレーヤーがいなくなると、ピッチ上にはスペースに流れてチャンスを窺おうとする選手ばかりになって、どうしてもボールは持てるが相手の脅威になるような攻撃にはならなかった。
 
 1対0で勝っていてそうしたサッカーをするなら分かるけど、0対1で負けているのに相手が一番嫌がる、抜ければゴールに直結するエリアにボールを入れられないサッカーをやっているようでは、得点の可能性は感じない。途中から出てきた香川にしろ、乾にしろ、中島ほどのアグレッシブな仕掛けをやっていたかと言えば、そうではないだろう。
 
 私はもう少し、鈴木のプレーを見たかった。結局、65分で香川と途中交代となったのは当初の予定通りなのかもしれないけど、90分の中で彼がどれだけのことをできるのか。それを見たかった。確かに後半は、前半よりもやや孤立する場面も増えてきたが、やはりそこはある程度我慢して使っていかないと周囲との連係も深まらないし、チームとしてもあれだけのフィジカルやスピードを持った選手をもっと生かす方法を考えてやらないと、ちょっともったいない気がするね。
 
 神戸でのボリビア戦ではどんな使われ方をするのか分からないが、コパ・アメリカでポスト大迫として期待するのであれば、少しでもプレー時間を確保してチームにフィットさせていくべきだ。前半には、相手の視界から消えて、うまくマークを外して中島のクロスを呼び込んだシーンもあったが、ああいうプレーからはJリーグでの好調も頷ける。最前線で張って活きる選手はなかなか出てこないだけに、辛抱強く経験を積ませていってほしいね。

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