来季CL&次回EUROの決勝戦開催地――二つの聖地サン・シーロ&ウェンブリーでの決勝戦の記憶

2014年09月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

サッカー界の「オペラ座」と「母国の聖地」に欧州の熱狂が到来。

2001年はバイエルンの祝賀会場となったサン・シーロ。来シーズン、最高峰の戦いの末にサッカー界の「オペラ座」を歓喜で包むのはどのクラブか。 (C) Getty Images

 ようやく今シーズンのチャンピオンズ・リーグ(CL)はグループリーグが始まったばかりだが、UEFAは早くも来シーズンの決勝の舞台がイタリア・ミラノのジュゼッペ・メアッツァ(サン・シーロ)に決まったことを発表している。ちなみに今シーズンの決勝は、ドイツ・ベルリンのオリンピア・シュタディオンだ。
 
 ジュゼッペ・メアッツァでのCL決勝開催はこれで4度目。1964-65シーズン、名将エレニオ・エレーラ率いるインテルがジャチント・ファケッティ、ルイス・スアレス、サンドロ・マッツォーラといった名手を擁し、エウゼビオのベンフィカを1-0で破って欧州連覇を果たしたのが最初である。続いて69-70シーズンにはフェイエノールトとセルティックが延長戦にもつれ込む激闘を見せ、エルンスト・ハッペルが指揮するフェイエノールトが初の優勝(現在に至るまで唯一の戴冠だ)を飾った。
 
 最も直近の戦いは、2000-01シーズン。バイエルンとバレンシアというカードはPK戦に突入し、バイエルンが2年連続決勝進出のバレンシアを下し、2年前の決勝の悪夢(ロスタイムの2失点でマンチェスター・ユナイテッドに逆転負け)を払拭した。
 
 ミランはこの2000-01シーズン、前シーズンにクラブ創立100周年を迎えたこともあり、何としてでも本拠地でのCL決勝で勝利を飾りたいと願っていたが、アルベルト・ザッケローニに率いられたチームは、その力に見合わない国内国外のダブルタイトルを狙った結果、疲弊して崩壊。シーズン途中、現役時代の62-63シーズンにミランを初の欧州王者に引き上げた伝説のキャプテン、チェーザレ・マルディーニ(同じくレジェンドであるパオロの父)を後任監督に迎えるも、結局は2次リーグで力尽きた。
 
 現在、ミランとインテルは、力ではユベントス、ナポリ、ローマの後塵を拝して状況であり、チャンピオンズ・リーグの出場権を獲得することすら簡単ではないが(イタリアの出場枠自体が減ったことも原因だ)、この開催地決定の報によって今シーズンのカルチョの勢力分布に変化が起こるかどうか、非常に興味深い。
 
 ちなみに、チャンピオンズ・リーグ以外の欧州カップにおいて、過去に決勝戦がこのミラノ勢の聖地で行なわれたのは、UEFAカップ(現ヨーロッパ・リーグ)での4回。なお同カップは96-97シーズンまで、決勝戦もホーム&アウェー方式を採っていたため、実際に優勝トロフィーがミラノの空に掲げられたのは3度である。
 
【写真で振り返る】"サン・シーロ"での欧州カップ決勝戦
 
 またUEFAは、2020年に開催される欧州選手権「EURO2020」の決勝&準決勝を、イングランド・ロンドンのウェンブリーで開催することも明らかにした。同大会はこれまでのような、一国開催(もしくは二か国での共催)ではなく、欧州各国の主要都市で試合を行なうという新たな方式を採用。なお、準決勝以前の開催都市も以下の通り、発表されている。
 
◇グループリーグ3試合&準々決勝の開催都市
バクー(アゼルバイジャン)
ミュンヘン(ドイツ)
ローマ(イタリア)
サンクトペテルブルク(ロシア)
 
◇グループリーグ3試合&決勝トーナメント1回戦の開催都市
ブリュッセル(ベルギー)
コペンハーゲン(デンマーク)
ブダペスト(ハンガリー)
アムステルダム(オランダ)
ダブリン(アイルランド)
ブカレスト(ルーマニア)
グラスゴー(スコットランド)
ビルバオ(スペイン)
 
 聖地ウェンブリーで欧州選手権の決勝戦が行なわれたのは、過去に一度。96年のイングランド大会だ。この戦いに臨んだのは、準決勝で開催国をPK戦で下したドイツと、予想外の快進撃を見せたチェコ。試合はチェコが先制するも、後半にドイツがオリバー・ビアホフのゴールで同点とし、ゴールデンゴール方式(いわゆるサドンデス)の延長戦に入って5分、ふたたびビアホフのゴールが決まり、この瞬間に統一ドイツとして初のタイトル獲得が決まった。
 
 知っての通り、ウェンブリーは2007年に全面改装されており、現在は見た目も中身も最新鋭のスタジアムだ。そして2020年、代表レベルでは2年前のロンドン・オリンピック以来となるビッグイベントを開催することとなる。
 
【写真で振り返る】ウェンブリーでのEURO決勝戦
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事