30歳で1部デビュー&驚きのスペイン代表初招集!柴崎同僚FWのシンデレラストーリー

2019年03月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

リーガのスペイン人トップスコアラーに

スペイン代表に初選出されたマタ。年明け以降、ハイペースでゴールを量産している。写真:Rafa HUERTA

 3月15日、スペイン・サッカー連盟はEURO2020予選(24日マルタ戦/27日ノルウェー戦)に臨むスペイン代表23名を発表した。

 もっともサプライズだったのが、ヘタフェのハイメ・マタの初選出だろう。直近の5試合で7ゴールと絶好調だったとはいえ、ルイス・エンリケ監督が30歳のストライカーに声を掛けると予想した人は少なかったはずだ。

 そもそも、ラ・リーガ1部デビューを飾ったのも今シーズンという超遅咲き。それまでは2部や2部B(実質3武)のクラブを渡り歩いていた。

 転機となったのが昨シーズンだ。キャリアハイとなる33ゴールを挙げて2部の得点王に輝き、バジャドリーを"奇跡の昇格"に導いたのだ。この活躍が認められ、マタはシーズン終了後にヘタフェに引き抜かれた。

 迎えた今シーズン、念願の1部デビューを果たし、7節のセルタ戦で途中出場から初ゴールを挙げたものの、12節までに奪ったのはこの1点のみ。先発も4試合しかなく、当初はホルヘ・モリーナとアンヘル・ロドリゲスという2トップのターンオーバー要員という位置づけだった。

 しかし、少ない出場機会ながら徐々に結果を残し、13節、14節に連続得点を挙げると、年明け最初の18節には、バルセロナからゴールを奪う。この活躍でアンヘルから完全に定位置を奪い取り、2019年に入ってからは11戦10発とまさに飛ぶ鳥を落とす勢いでゴールを量産している。

 ここまでリーグ戦13ゴールは得点ランクの5位タイ、スペイン人ではなんとトップに立っている。チャンピオンズ・リーグ出場圏内の4位と大躍進を見せるヘタフェの、いまや牽引車だ。

 洗練された技術や圧倒的なスピードがあるわけではない。それでも、抜群の得点嗅覚を発揮し、ゴールを重ねている。13点すべてをペナルティーエリアの中で奪っているというデータにも、その特長が表われていると言えるだろう。
 
 スペイン紙『Mundo Deportivo』によると、練習に向かう車中のラジオで代表入りを知ったというマタは、次のように喜びを語っている。

「僕はさまざまなカテゴリー、チームでプレーしてきたけど、代表の一員になれるなんて一番うれしいよ。良い時も悪い時も支えてくれたチームメイト、スタッフ、家族に感謝したい」

 次に目指すのは、もちろん初キャップと代表初ゴール。シンデレラストーリーは、まだまだ終わらない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 

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