“闘犬”ガットゥーゾが率いるミランのファウル数が…意外なデータが明らかに!

2019年03月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

“闘将”のイメージは拭えないが…。

就任2年目のガットゥーゾ。目標であるCL出場権を確保できるか。(C) Getty Images

 ミランのジェンナーロ・ガットゥーゾ監督は、現役時代に"闘犬"の愛称で親しまれた。技術は高くないものの、豊富な運動量と闘争心を前面に押し出したプレーで、ミランのサポーターのみならず、世界中のサッカーファンから愛される存在だった。

 そんなガットゥーゾだが、2017年11月にヴィンチェンツォ・モンテッラの後任として古巣ミランの指揮官に就任した際、現役時代と同じイメージで見られることに不快感をのぞかせた。指導者ライセンスを取得するうえで、戦術など多くのことを学んだと強調したのだ。決して、気合いを注入するだけの監督ではない、と。

 とはいえ、定着した人々の印象を払拭するのは、なかなか難しい。就任から1年半近くが経っても、「闘将」のイメージは拭えない。

 しかし、イタリア紙『Gazzetta dello Sport』は3月16日、ガットゥーゾがガッツだけの指揮官でないという事実がデータに表われていると報じた。

 27節終了時点で、セリエAにおけるミランのファウル数は292回と、ナポリ(285回)に次いで、リーグで2番目に少ないのだ。また、1試合平均の総走行距離は、10万8657キロでリーグ8番目。ラツィオ(11万606キロ)やインテル(11万515キロ)を下回っている。

 この結果は、ガットゥーゾが、少なくとも「走りまくって相手を潰す」だけのチームを作っているわけではないという事実を表わしている。実際、ポゼッション率はリーグ5位(53.3パーセント)、パス成功率はリーグ3位(86.2パーセント)で、インテルやローマなどを上回っている。
 
 決して華々しいサッカーとは言えないとはいえ、ミランは堅守を武器にリーグ戦5連勝(10試合無敗)を飾り、ライバルのインテルを抜いて3位に浮上するなど好調を維持している。一時は解任も取り沙汰されていたガットゥーゾ監督の評価は、再び高まっている。

 とはいえ、4位のインテルとは勝点差は1ポイント。5位のローマとは4ポイント差と、4位以内に与えられるチャンピオンズ・リーグ出場権争いは拮抗している。ガットゥーゾが来シーズンもミランの指揮を振るうためには、欧州最高峰の舞台への切符の確保が欠かせない。

 ミランは17日に開催される第28節で、宿敵インテルとのミラノ・ダービーに臨む。ライバルの不振やゴタゴタもあり、有利との見方が大勢を占めるなか、ガットゥーゾがどのような采配を見せるか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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