南野拓実、ELでの初インサイドハーフ起用に「ゴールに繋がる起点だと意識」「すごく考えながらプレーした」

2019年03月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

試合後はなかなかベンチから出られず…

初めてのポジションで奮闘した南野。プレーの幅を広げることができただろうか。この後、彼は17日に国内リーグを戦った後、コロンビア、ボリビア戦に臨む日本代表チームに合流する。 (C) REUTERS/AFLO

 日本代表FW南野拓実が所属するレッドブル・ザルツブルクは、ヨーロッパリーグ(EL)のラウンド・オブ16でナポリと対戦。3月14日(現地時間)にホームで行なわれた第2レグ、3-1と勝利したが、第1レグでの0-3の敗北が響き、2戦合計スコアで敗退となってしまった。
 
 3点差をひっくり返すというミッションに挑む大事な一戦で、南野は2トップの一角としてスタメン出場。入り方は悪くなかったと振り返るように、ゲームの主導権はザルツブルクが握っていたようだった。
 
 ある程度はイメージ通りに試合を進められていただけに、最初に失点をしてしまったのはやはり痛手だった。「失点をしないというのが今日は重要だったので、ちょっと最初のゲームプランが崩れてしまった」と、南野も失点シーンを悔やむ。だが、ここでチームも南野も、意気消沈したりはしなかった。
 
「時間はあったし、もちろん厳しい状況になったのはみんな理解していましたけど、ホームでやるしかなかったので。そこまで落ち込むことはなかったかなと思います」
 
 その言葉通り、ここからチームとしての戦う姿勢やゴールへの動きを見せていく。25分には中盤で相手ボールをカットし、素早いショートカウンターから、最後はダブールが同点ゴールを決めた。
 
 このシーンについて南野は、「僕たちがやりたかったのは、守備でしっかりはめて、それを奪ってショートカウンターというところ。それは1点目にも完全に繋がっていたし、そういう意味でも、やりたいことはできていたと思います」と、自分たちの狙いについて語っていた。
 
 序盤なかなかボールに触れないでいた南野も、43分に見せ場を作る。サマセクからのロビングパスを右サイドでうまく収めると、そこからドリブルで中央へ切り込んで左足シュート。きわどいコースに飛んだボールは、わずかにポストをかすめて外れていった。
 
「ああいうところで前を向けば、やれる自信はある。ただ、そこの回数が少なかったのは悔しいですね」
 
 後半に入るとザルツブルクの勢いがさらに増し、南野もスペースに顔を出してパスを引き出す頻度が増えてくる。ゴールが必要なザルツブルクは、59分にFWグルブランドセンを投入。南野は、右インサイドハーフにポジションを移した。
 
「ゴールに繋がる起点のところというのを意識してプレーしました。初めてやったポジションだったので、すごく考えながらプレーしました」
 
 そう自身の役割を認識していた南野は、65分に中盤からドリブルでボールを運び、チャンスの起点を作り出す。そこから左サイドに展開されると、左SBのウルマーがゴール前にグラウンダーのクロスを入れ、グルブランドセンがスライディングボレーで逆転ゴールを決めた。
 
 さらにアディショナルタイム2分には、途中出場のライトゲブが3点目を決め、ザルツブルクは3-1で勝利を収めた。しかし冒頭で述べた通り、合計スコアでEL敗退……。試合後、南野はなかなかベンチから出てこなかった。他の選手がゴール裏のファンの元へ集まるタイミングで、ようやくピッチに姿を現わした。
 
 その時の心境について、「外から見ていたらどうか分からないですけど、僕らはやっていて、いける、もしかしたら、という雰囲気があったんですよ。だから、(終わった時は)何も考えられなかったというか、負けてしまったなぁって佇んでいたというか、そんな感じでしたね」と述懐していた。
 
 悔しくないはずがない。それでも、視線は前を向いている。
 
「まず、第1レグでこういう試合をやっていれば、結果はまた違っていたと思うし、そういうところが相手チームとの差かなと思いますね。やっぱり、3点差というのはすごく難しい。今日感じたことを、また次に活かしていけたらいいなと思います」
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