【ルヴァン杯】清水の有望株は静岡ダービーの決勝弾に満足せず。U-20W杯出場を目指す滝裕太の誓い

2019年03月14日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

W杯まで残り2か月。どこまでアピールできるかが生き残りのカギを握る。

2トップの一角で出場し、決勝弾を挙げた滝。5月のU-20W杯に向けて歩みを止めるつもりはない。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[ルヴァン杯2節]磐田0-1清水/3月13日/アイスタ

 清水に公式戦初勝利をもたらしたのはプロ2年目の19歳、滝裕太だった。
 
 スコアレスで迎えた後半開始早々の47分、滝が高い位置でプレスを掛けると、GKの三浦龍輝がパスミス。ボールを奪ったエウシーニョが前につなぎ、滝がきっちりとゴールへ流し込んだ。これが決勝点となり、チームに静岡ダービーと今季初の勝利を呼び込んでヒーローとなった。
 
 殊勲者となった滝は最前線や2列目を主戦場とする成長株。持ち前の技術に加え、得点力にも磨きが掛かり、直近の公式戦4試合で3ゴールを奪っている。

 J1リーグ2節のG大阪戦で終盤に出番を得ると、わずか4分の出場ながらプロ初得点を記録。続く3節の札幌戦でも途中からピッチに立ち、鮮やかなヒールショットを決めてリーグ戦2試合連続弾を達成した。ただ、この2試合で決めたゴールを素直に喜べたわけではないという。なぜならば、いずれの試合も勝利に結び付いていないからだ。
 
 わずかな時間で結果を残し、滝に巡ってきた先発出場の機会。磐田戦のチャンスを逃すわけにはいかなかった。その意味でも決勝弾は格別だろう。その証拠に本人は、試合後に屈託のない笑顔を見せて喜びに浸った。
 
 ヤン・ヨンソン監督の期待に応え、目に見える結果を残した滝。ただ、その表情とは裏腹に磐田戦の活躍に満足していない。

 指揮官は試合後に「得点を取る役割も果たしましたが、守備に戻って味方を助けるということもやってくれて、アップダウンをよくしていた」と一定の評価を下したものの、本人は「テセさんとの距離が良くなかった」と猛省。攻撃ではいいタイミングにサポートに入れず、守備でも連動したプレスを掛けられなかった点を悔やんだ。

 プロ2年目であり、そこまで危機感を募らせる必要はないかもしれない。だが、現状に納得できないのは、今年5月にU-20ワールドカップが開催されるからだ。
 
 滝は絶対的な主軸ではなく、当落線上にいる立場。昨秋のU-19アジア選手権には出場したが、続く12月のブラジル遠征は招集されなかった。だからこそ、残りの2か月どこまでアピールできるかが生き残りのカギを握る。

 磐田戦の活躍に慢心せず、結果と内容が伴うプレーを見せられるか。
 
「結果を残し続けることと、あとはプレーでもっと見せたりしないといけない。なので、もっと上を目指したい」と滝は意欲を示し、「簡単にミスをしないとか、世界で当たり前のことができていないので克服したい」と話した。清水の有望株は世界で戦うためにも、まずはクラブでより高いレベルを目指す。

【ルヴァン杯PHOTO】清水 1-0 磐田|今季初静岡ダービー!寒空の中勝利に導いたのは……!
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