「社会的にも注目を集めるようになった」 西野朗氏がイニエスタ、ビジャら世界的スターJ参戦の効果をスペイン紙に語る

2019年03月08日 サッカーダイジェストWeb編集部

「Jリーグにとってはとてもありがたいこと」

3月7日、バルセロナからまた新たな助っ人サンペールが加入。自らも指揮したJリーグの変化を、前日本代表監督の西野氏はどう見るのか。(C)SOCCER DIGEST

 ロシア・ワールドカップで、監督として日本代表をベスト16入りに導いた西野朗氏が、スペイン紙『AS』のインタビューに応じた。

 昨夏、元スペイン代表のアンドレス・イニエスタがヴィッセル神戸、フェルナンド・トーレスがサガン鳥栖と、これまでスペインでは馴染みの薄かったJリーグに次々と移籍したニュースは、大きな驚きを人々に与えた。

 その後も、今年1月にはダビド・ビジャが神戸に加入。神戸はさらに本日3月7日、バルセロナからセルジ・サンペールが加入することを正式に発表している。

 そんな状況の中、『AS』は「元日本代表監督であり、Jリーグでの指揮経験も豊富なスペシャリスト」の西野氏にインタビューを敢行。スペインでも"注視すべきリーグ"となりつつあるJリーグについて、そしてイニエスタ、F・トーレス加入の効果を尋ねた。

 まず西野氏は、世界的スターのJリーグ参戦を「歓迎すべきことだ」と語っている。

「多くの日本人選手がヨーロッパを目指しているため、国内リーグの影響力が弱まる傾向にあることを考えれば、とてもありがたい、良いニュースだったと思います。

 正直、イニエスタがJリーグを選択したことは、とても驚きました。(ルーカス・)ポドルスキ、ビジャ、F・トーレスなども……。大半が神戸に加入しましたが、社会的にもJリーグが注目を集めるようになったと感じています」

 また、日本とヨーロッパの環境の違いや、チーム状況についても言及した。

「イニエスタもF・トーレスも、日本に到着したときは驚いたのではないかと思います。あの頃の日本は非常に暑くて、とても過ごしにくかったはずです。あの暑さは、ヨーロッパでは経験できないものですから、慣れるのに時間がかかったでしょう……。ただ、涼しくなる秋以降は適応しているように見えました。

 イニエスタは、加入当時は思うようにやれていないように見えましたが、半年経ち、監督がスペイン人(ファン・マヌエル・リージョ)になり、気心知れたビジャも加わったことで、コンビネーションも良くなりました。今後は、チームとして向上していくのではないでしょうか。

 F・トーレスが加入した鳥栖は、状態が良くないですね。彼には、試合中に十分なチャンスが回ってこないし、彼自身もフラストレーションがあるのでは? F・トーレスはもっと良いチームを必要としているし、昨季の出来は到底、満足がいくものではなかっただろうと思います。今後に注目です」

 Jリーグは2節を終え、神戸は1勝1敗とまあまあの滑り出し、鳥栖は2連敗とスタートで躓いている。『AS』は、「前代表監督をも驚かせた、元スペイン代表たちの動向に注目」と綴り、引き続きJリーグでの彼らに注視するようだ。

 ちなみに、西野氏のスペイン出身選手で気になるのは、バルサのセルヒオ・ブスケッツだという。「攻守の要。彼の出来が、チームの出来を左右するというくらいのキーマンだと思う」と回答している。
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