CL史を変えた記録が誕生! マンUがパリSGから挙げた劇的逆転勝利は何が凄かったのか?

2019年03月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

運命を変えたVARにトゥへルの想いは?

決勝弾を決めたラッシュフォードを取り囲み、歓喜したユナイテッドの面々。その集中力とパフォーマンスは世界を大いに驚かせた。 (C) SOCCER DIGEST

 現地時間3月6日のチャンピオンズ・リーグ(CL)決勝トーナメント1回戦の第2レグ、パリ・サンジェルマン対マンチェスター・ユナイテッドの一戦で、欧州最高峰の舞台における歴史に新たな1ページが刻まれた。

 ホームでの第1レグを0-2と敗れていたユナイテッドは、前半30分までにロメル・ルカクが2得点をあげると、試合終了間際の後半アディショナルタイム4分にディオゴ・ダロのシュートがプレスネル・キンペンベのハンドを誘ってPKを獲得。これをマーカス・ラッシュフォードが決め、2試合合計で3-3と並び、アウェーゴールの差で準々決勝に駒を進めた。

 英衛星放送『Sky Sports』によれば、ユナイテッドがCLの決勝トーナメントにおけるアウェーゲームで複数得点をあげたのは、2010-11シーズン以来のこと。そして何より、ホームで2点差以上の黒星を喫しながら逆転でラウンドを突破したのは、CLの歴史で初めてのことという。

 一方、敗れたパリSGは、3年連続でベスト8進出を逃した。CL決勝トーナメントでは、直近12試合で4勝1分け7敗と大きく負け越している。そもそも、CLの試合で前半30分までに2失点を喫したのは、1997年10月のバイエルン戦以来のことだった。

 ただ、やはり勝敗を大きく左右したのは、終了間際のビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入によるPK判定だ。ネイマールはSNSで、「恥ずべきだ」と非難している。

 また、『Sky Sports』によると、パリSGのトーマス・トゥヘル監督は試合後に「わたしはVARの大ファンであり、それは変わらない」としたうえで、ハンドの判定に疑問が残ると示唆した。

「距離や腕を動かしたかどうかなど、いろいろな点がある。五分五分だ。PKじゃないと言う人も、PKだと言う人もいる。それがハンドの難しさだ」

 トゥヘル監督は、「22メートルの距離からバーを越えるだろうシュート(が阻まれたこと)の報いがPKというのは、理にかなっていない。だが、60分間、我々はこういうこともあり得ると分かっていながらギリギリの戦いをしてしまった」と続けている。

「難しいと思う。これをPKにする理由があるんだろう。映像を見に行く時は、理由があると分かっている。シュートは外れていた。それが突然PKだ」

 落胆するトゥヘル監督と対照的に、オレ・グンナー・スールシャール監督は、就任から公式戦で14勝をマーク。『Sky Sports』は、同期間の白星の数では、マンチェスター・シティ(15勝)に続いて欧州5大リーグで2位だと伝えている。

 昨年12月に監督交代を図って以降、勢いが止まらないユナイテッドは、どこまで勝ち進むのだろうか。今はそのパフォーマンスに陰りは見えない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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