「驚くべき強さで名門を苦しめている」STVVの快進撃に地元も熱狂の兆し。冨安、鎌田も上位進出に貢献!

2019年02月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

地元サポーターの数も着々と増えている模様

ヨアン・ボリ(中央)のゴールをアシストした左WBのエルトン・アコラトス(右)も、自慢の攻撃力を活かしてブレイク。冨安は相変わらずの安定した守備で勝利に貢献した。 (C) STVV

 シント=トロイデン(STVV)がホームにシャルルロワを迎えたベルギー・リーグ第27節は、3-1でSTVVが快勝。同クラブは勝点を3位のスタンダール・リエージュ、4位のアントワープと並ぶ46にまで伸ばし、プレーオフ1圏内の6位以内をキープしている。

 ベルギー・リーグではレギュラーシーズン終了後、上位6チームが総当たり戦を行なうプレーオフ1(PO1)が開催される。そこで1位になったチームがリーグ優勝と認定され、上位チームにはチャンピオンズ・リーグ出場など欧州カップ戦への参加権が付与される仕組みだ。

 上位進出のためにも負けられないこの一戦で、STVVは冨安健洋、鎌田大地が先発出場。手堅い守備と巧みなパスワークで主導権を握り、FWヨアン・ボリがハットトリックを達成。勝利を収めた。

 地元テレビ局の「TV Limburg BE」は、「STVVは今週末、再び勝者となり、リーグでの上位進出、そしてPO1出場への可能性を高めている。大勢のサポーターが彼らと勝利の喜びに酔った」と、スタジアムに駆け付けたホーム側サポーターと勝利を喜ぶ選手たちの姿を報じ、活躍を称えている。

 またベルギー紙『Het Belang van Limburg』は、「PO1への切符はスタンダール・リエージュやアントワープでさえ、確約されたものではなくなった」とし、「PO1の常連であったふたつの名門、アンデルレヒトとヘンクはすでに尻に火がついた状態。それはカナリアズ(STVVの愛称)が驚くべき強さをみせているからで、上位争いに食い込み、彼らを苦しめている」というアナリストのジャッキー・マティジェセンのコメントを紹介している。

 絶賛記事が相次ぐなか、STVVのベテランMFスティーブン・デ・ペッターは、ベルギーメディアの『VOETVALKRANT』に、このように語った。

「我々は素晴らしい物語を描いていると思う。だけど、まだ終わりじゃない。物語はまだ終わっていないんだ。試合を見て貰えばわかるように、チームのモチベーションはとても良い状態だ。それでもまだクラブ史上初のPO1進出は確信が持てない状態だし、次には非常に重要な試合がある。だから月曜日にはこの勝利を忘れて、次に備えなければならないと考えている。チームは危機感を持ってやれていると思う」

 リーグ戦は残り3試合となり、STVVは次節(現地3月2日)に強豪のクラブ・ブルージュ、そしてムスクロン、ヘントと手強い相手との対戦が控えている。

 監督のマルク・ブライスが「今後はますます総力戦となる」と語っているように、チーム躍進のためには、富安、鎌田のみならず、ここ数試合でベンチ入りしている関根貴大と木下康介、リハビリ中の遠藤航、そして未だ公式戦デビューを果たしていない小池裕太ら、日本人選手の活躍も期待されるところだ。

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