【U-18プレミアリーグ】13節ピックアップ・ゲーム[EAST]柏U-18 対 JFAアカデミー福島

2014年09月16日 松尾祐希

U-20ニュージーランド代表の大型MFマイケル・ジェームスが、柏のパスサッカーのスパイスに。

U-20ニュージーランド代表MFのM・ジェームス。約20分間の出場で1得点・1アシストと決定的な仕事をした。 (C) SOCCER DIGEST

 序盤から主導権を握った柏U-18は、34分にMF白川恵士朗の左足ミドルで先制点を奪うと、後半に入ってもゲームを支配する。59分にはJFAアカデミー福島のFW草野侑己の一発退場によってさらに優位な状況となったが、70分にカウンターからJFAアカデミーのMF谷口憧斗に同点ゴールを奪われてしまう。
 
 ここで柏の下平隆宏監督が即座に動いた。71分、U-20ニュージーランド代表のMFマイケル・ジェームスを投入。4-3-3の右インサイドハーフで起用された185センチの大型MFは、再三に渡って前線への鋭い飛び出しを見せるなど、ダイナミックなプレーで停滞していた試合の流れを、柏に引き戻していく。
 
 すると、81分、MF手塚康平の左からのクロスに反応したM・ジェームスが、ヘッドでFW浮田健誠に落とし、勝ち越し弾をアシスト。さらに83分には、MF会津雄生からのラストパスをゴール前の狭いスペースで受けると、冷静に右足で押し込んでリードを広げる。その後も1点を追加した柏は、4−1でJFAアカデミーを下して連敗を2で食い止め、首位奪回に成功した。
 
 この勝利の立役者となったM・ジェームスは、生まれも育ちもニュージーランドで、生粋のニュージーランド人。母国のU-20代表として、先週はドバイ国際トーナメント大会に参加するなど、来年行なわれる地元開催のU-20ワールドカップでの活躍が期待される選手だ。
 
 元々、昨年から夏休みなどを使って、柏U-18の練習に参加していたが、本人の強い希望もあり、今年の4月に正式に加入した。シーズン序盤はプレー時間も短かったが、柏のボールを動かしていくサッカーに慣れてきた夏場以降は、大幅に出場機会を増やしていった。
 
 M・ジェームスの強みは、中盤でビルドアップに加わりながら、ゴール前で決定的な仕事をできるダイナミックなアタッキング能力だ。元イングランド代表のMFスティーブン・ジェラード(リバプール)が目標だと語る本人も、「ボックス内で高さを生かせれば、攻撃に変化をつけられる」と自分の武器に自信を見せる。
 
 JFAアカデミー戦は、ドバイ遠征に参加した疲労を考慮されてスタメンを外れた。それでも短時間で、1得点・1アシストと試合を決定づける働きを見せた。
 
 下平監督も「彼が入ると、うまく『レイソルらしくない部分』を出してくれる。守備もできるし、ボールもつなげる。独特のタイミングを持っていて、フィニッシュのところでも鋭い感覚を持っているので、良いアクセントになってくれる」と語り、評価は高い。
 
 ニュージーランドからやってきた大型MFは、今や昇格初年度でのプレミアリーグ初優勝を目指す柏にとって不可欠な戦力だ。来年、母国での飛躍を目指し、まずは日本で自らの才能に磨きをかけている。
 
取材・文:松尾祐希(フリーライター)

【U-18プレミアphoto】13節 柏U-18 対 JFAアカデミー福島
U-18プレミアリーグ/13節の結果
[EAST]
柏U-18(26) 4-1 JFAアカデミー福島(12)
青森山田(18) 1-0 清水ユース(25)
流経大柏(17) 0-4 三菱養和SCユース(15)
鹿島ユース(20) 3-0 市立船橋(18)
札幌U-18(18) 2-0 東京Vユース(10)
 
[WEST]
広島ユース(20) 1-4 G大阪ユース(28)
富山一(9) 2-2 東福岡(19)
名古屋U18(25) 1-2 C大阪U-18(28)
神戸U-18(26) 2-1 東山(6)
京都U-18(23) 3-1 京都橘(2)
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