元イタリア代表デル・ピエロが考える不振のサッリ・チェルシーに必要なモノは?「待つことも“チームワーク”じゃないか?」

2019年02月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

サポーターから非難を浴びるサッリに独自見解

ここにきて足踏みをしているサッリ(左)率いるチェルシー。その手腕には疑いの目が向けられているが、元イタリア代表FWデル・ピエロは異なった見解を示している。 (C) REUTERS/AFLO

「時は金なり」

 これは、アメリカの政治家ベンジャミン・フランクリンが放った言葉だが、マウリツィオ・サッリはこのことを今最も痛感しているかもしれない。

 昨夏にサッリを招聘したチェルシーは開幕こそ12戦負けなしと好スタートを切っていたが、ここにきてチームの調子は低迷。プレミアリーグ第23節でアーセナルに0-2、続く第24節でボーンマスに0-4の完敗。そして、第26節のマンチェスター・シティ戦で0-6の歴史的惨敗を喫した。

 そして、今週月曜日に行なわれたFAカップ5回戦でマンチェスター・ユナイテッドにホームで0-2と敗れ、直近の公式戦10試合で5敗目を喫したサッリ・チェルシーに対しては、サポーターから「何がしたいのかが分からない」や「サッリ・ボールはクソッタレ」といった批判が飛んでいる。

 一部の識者や記者たちもポゼッションとハイプレスを両立する「サッリ・ボール」という独自の戦術がチームにマッチしていないとして早期解任の可能性を指摘するなど、60歳のイタリア人指揮官への風当たりは、より一層強まっている。

 そんななか、サッリを擁護する意見を出したのは、元イタリア代表FWのアレッサンドロ・デル・ピエロだ。英紙『Daily Mail』の取材に応じた往年の名手は、「彼は優れた指導者だ」としたうえで、チームの変革には時間がかかるという見解を示した。
 
「これまでも彼が率いたチームは優れたチームへと変貌を遂げてきたが、そのレベルに達するのには時間がかかる。選手やスタッフたちが同じことをするのには時間がかかるもので、それを待つことも"チームワーク"と言うんじゃないかな? 

 彼は明確なアイデアを持っている人で、それをチームに落とし込む術も知っている監督だ。だから時間さえ与えれば、選手たちのパフォーマンスはよりクリーンになっていくと思うよ。

 確かにチェルシーは大金を投じてジョルジーニョとイグアインを手にしたが、他のライバルチームは監督が望む選手を5、6人も手にし、さらに時間をかけて成熟させた。それを考えればサッリが与えられた状況は苦しいものさ」

 来シーズンのチャンピオンズ・リーグ出場圏外の6位に後退しているチェルシー。このままいけば、サッリの電撃解任もありうるが、はたしてイタリア屈指の知将に、変革のための時間は与えられるだろうか――。
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