「こんなの今まで見たことがない」STVVが去った後の美しいロッカールームに対戦相手が感銘を受ける

2019年02月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ロシアW杯と偶然の一致ではない」

ズルテ・ワヘレム戦でも先発出場の冨安。試合は奮闘むなしくドローに終わったが、クラブのピッチ外での振る舞いが現地で称賛されている。 (C) STVV

 現地2月16日、ベルギー1部ジュピラーリーグの第26節が行なわれ、シント=トロイデン(STVV)はアウェーでズルテ・ワヘレムと対戦し、1-1のドローに終わった。

 この試合には冨安健洋、鎌田大地が先発出場。前節でデビューゴールを決めた木下康介と関根貴大はベンチ入りしたが、出番は回ってこなかった。

 試合は75分、ズルテ・ワヘレムに先制点を許したものの、82分にヨアン・ボリが同点ゴールを叩き込んで同点にする。しかし、その後に追加点を奪って勝ち切ることはできなかった。

 勝利を逃したSTVVだが、彼らのピッチ外の振る舞いに、ホームチームが感銘を受けている。ベルギー紙『Het Laatste Nieuws』が報じた。

「ロシア・ワールドカップでベルギーと対戦し、敗れた日本代表チームが、ロッカールームを美しく清掃して去ったことは、世界的にも話題になった。STVVは今、ベルギーでの各試合後のロッカールームで、同じことをしている。

 今回STVVをスタジアムに迎え入れたズルテ・ワヘレム側は美しく保たれたロッカールームに感銘を受け、『こんなのは見たことがない』と明かした。もちろん、これは偶然の一致ではない。なぜならSTVVの上司は日本人だからだ」

 そして『HLN』は、STVVのトム・ファンデン・アベーレSD(スポーツディレクター)のコメントを紹介している。

「もちろん、その行ないは日本の文化に由来している。クラブが日本人オーナーの手に渡った際、我々はクラブに止まることができたこともそうだ。W杯のボランティアにしても私たちSTVVスタッフにしても、誰に対してであってもリスペクトの気持ちを忘れずに持つべきだし、そうなればロッカールームをピカピカに掃除して去るのは、とても自然なことなんだ。

 我々にとって"クラブ"という言葉は、ファーストチームを示すものではなくなった。スタッフや若手含めて全員、ほかのどのクラブに対しても、手本となる行ないを示せてこそ、使うことができる言葉に変わったんだ」

 また、STVVの用具管理を担当するベニー・リエベンスは同紙の取材に「すっかり定着したことだよ」と微笑みながらコメントしたという。日本人オーナーによる影響は、ベルギーのクラブ文化にも様々な影響を及ぼしているといえそうだ。

 STVVはリーグ戦を4試合残し、プレーオフ1圏内の6位以内である5位をキープしている。前後のポイント差はごく僅かであり、6位以内を維持するためには、次戦ホームのシャルルロワ戦はぜひ勝って3ポイントを獲りたいところだ。

 シャルルロワには今冬にアンデルレヒトから半年のレンタルで加入した森岡亮太がいる。ここ2試合でチームの勝利に貢献している森岡に、冨安らDF陣がどう立ち向かうのかも注目される。

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