「彼らは必ず進化する」 かつて名古屋を率いた名将がベルギーでプレーする日本人選手の力量に”太鼓判”

2019年02月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

「10人のサムライ」はブレイクできるのか?

ベルギーでプレーしている日本人選手たち。左上から、森岡、植田、豊川、小池、伊東、関根、鎌田、木下、遠藤、冨安の10人だ。 (C) STVV、(C) Getty Images、(C)SOCCER DIGEST

 ベルギー・リーグでプレーする日本人選手が、伊東純也がヘンクに加わったことにより、10人になった。この異例の事態に、現地でも驚きが広がっているようだ。

 現地で高い評価を得ているのは、シント=トロイデン(STVV)に所属する日本代表の冨安健洋と、11ゴールを奪って得点王ランキング5位につけている鎌田大地だ。同局にも「冨安と鎌田はSTVVで美しいプレーを見せている」と称賛された。​​​

 STVVにはほかにアジアカップに参加した遠藤航や、関根貴大、木下康介、小池裕太らが所属している。そして、シャルルロワには森岡亮太、オイペンには豊川雄太、セルクル・ブルージュには植田直道、そして「10人目のサムライ」となった伊東だ。

 この1年で一気に増えた日本人選手について、ベルギーのTV局「TV Limburg」がオランダ人のセフ・フェルホーセン氏に取材を敢行。同氏は2001年にヘンクを率いて優勝に導き、ポルトやJリーグの名古屋グランパスなどを率いたこともある。名将は、日本人選手についてこのように語った。

「なぜここまで増えたかは様々な原因があるだろうが、ベルギーで彼らが順調に成長しているのは至極当たり前のことだと思う。オランダやドイツでも同じことが言えるが、日本においてもフットボールは人気も実力もトップクラスのスポーツ。彼らは高いプロ意識を持っていて、向上心もある。こちらからやる気にさせる必要はなく、非常に自主的で独立した選手たちだ。

 もしこうした選手を獲得した場合、クラブ側は注意深く正しい方向に指導するべきだ。その方法としては、無理やりハイレベルな要求をしたり、プレッシャーをかけたりするのではなく、必要なのは時間だ。それさえ与えれば彼らは必ず進化する」

 同リーグではレギュラーシーズン終了後、上位6チームが総当たり戦を行なうプレーオフ1が開催される。そこで1位になったチームがリーグ優勝と認定され、上位チームにはチャンピオンズ・リーグ出場など欧州カップ戦への参加権などが付与される仕組みだ。

 現在は伊東が加入したヘンクが1位。STVVは5位につけており、6位以内を狙える位置にいる。

 フェルホーセン氏は、日本人が多数所属するSTVVの成功を疑っていないようだ。

「STVVがプレーオフに進むことを祈っているし、まあ私が祈らなくても彼らはその目的を達成するだろうね!」

 STVVは現地2月16日にアウェーでズルテ・ワヘレムと対戦。シーズンは残り5試合となっており、プレーオフ1進出を目指すためには負けられない戦いが続く。
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