乾貴士、新天地アラベスでハツラツプレー! いきなりのスタメン抜擢で多くの決定機に絡む!

2019年02月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

ピッチを去る際にはスタンディグオベーションが!

アラベスで上々のデビューを飾った乾貴士。ベティス時代には影を潜めた躍動感溢れるプレーを披露した。 (C)Getty Images

 現地時間2月11日に実施されたラ・リーガ第23節、アラベスとレバンテの一戦は、2-0でアラベスが勝利。この冬の移籍市場で、ベティスからアラベスにレンタル移籍を果たし、この日がデビュー戦となった乾貴士は、背番号11のシャツをまとい、4-3-3システムの右FWでスタメン出場を果たした。

 序盤はなかなかボールに触れる機会がなかった乾だが、9分にノールックでの見事な股抜きパスを決めると、逆サイドのホニとのポジションチェンジで左に移動した10分過ぎからは、得意のドリブルで果敢に仕掛けはじめる。

 16分には、惜しくもゴール右に外れたものの、クロスに合わせたホナタン・カレリのヘッドがバーに当たった跳ね返りを、頭で押し込もうとする場面もあった。

 アラベスに先制点が生まれたのは23分、CKからビクトール・ラグアルディアが打点の高いヘッドで叩き込む。このCKはふたたび右サイドに戻った乾が、後方のシモ・ナバーロとの息の合ったコンビで敵の左サイドを突き崩し、獲得したものだった。

 エイバルと同じバスク地方に本拠を置くアラベス。北部の水が合うのか、乾は加入したばかりの選手とは思えないほどスムーズにチームに入り込み、右に左にと自在にポジションを変えながらチームを助けた。

 また43分には、左サイドでパスカットに成功。そのまま得意のドリブルでカットインし、敵のファウルを誘っている。乾を倒したレバンテDFエリック・カバコには、このプレーでイエローカードが提示された。
 
 ゴールやアシストこそなかったものの、バイタルエリアの周辺で確実にボールをキープでき、冷静につなぎ役をこなし、守備においても献身的だった乾は、敵にとっては厄介極まりなく、アラベスにとっては実に頼りがいのある戦力となっていた。

 いきなりスタメンに抜擢されながら、及第点以上のプレーを見せた小柄な日本人プレーヤーは、後半も変わらぬ安定感を披露。シュートは大きく枠を外れたが、55分にはみずからインターセプトして持ち上がり、決定機を演出した。

 また、その6分後に訪れたこの日最大のビッグチャンスでも、左足で狙ったシュートはレバンテGKアイトール・フェルナンデスに阻止されたが、こういう場面でしっかり決めきれるようになれば、さらにチーム内でのプレゼンスを高めることができるだろう。

 それでも、80分にも鋭い走り込みで決定機に絡むなど――エリア手前で倒されたがファウルはもらえず――、最後まで見せ場を作り続けた乾。試合前、「いきなりのフル出場は難しいだろう」と語っていたアベラルド監督が88分まで起用しつづけたように、ピッチを後にする際、ファンから盛大なスタンディングオベーションが贈られたように、乾はほぼベストに近いアラベスデビューを果たすことに成功した。

 終了間際に1点を加え、2-0でレバンテを下したアラベスの次節の相手はベティス。乾は昨年末までホームスタジアムとしてプレーしていたベニート・ビジャマリンに、敵として乗り込むことになる。
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事