日本対ベネズエラ戦・監督コメント|アギーレ監督「一番良かったのは新しい血が注入されたこと」

2014年09月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

今後すべきは、守備を堅くすること、ボールを速く回すこと。

最低限の指示だけを与え、ピッチ上では選手の自主性を重んじることを強調していたアギーレ監督。 (C) SOCCER DIGEST

◇試合の感想
 
 結果は妥当なものだと思う。前半は相手が上回っていた。後半は、ポストに当たったシュート(本田圭佑のFK)が決まっていれば、試合を決定づけることができていたのではないだろうか。

 試合は引き分けに終わったが、これからも仕事を続けていくだけだ。この2試合を通して、新しく活躍した若い選手には満足している。今後の試合では、もう少し運が味方してくれればと思う。ミスを犯した時に、相手が得点を決めないように。ミスも試合の一部だと思う。

 選手たちのパフォーマンスは、ピッチの中でも、外でも良かったと思う。(試合を終えての)結論は、これからもまだまだ仕事をしないといけないということだ。
 
 
◇質疑応答
 
――この1週間の、監督になってからの第一段階を振り返ると? トレーニングで選手に提案したことがいくつかあったと思うが、今日の試合ではそれを忠実に果たしていたとポジティブに捉えているか、あるいは提案以外は何もできなかったとネガティブに捉えているか?
 
 我々は1週間という短い期間で、トレーニングを続けてきた。その中で選手に対して指導したことはいくつかあったが、試合前には、指導したこと以外にも自由にプレーしてほしいと、選手たちには伝えた。ピッチ上では、選手自身が判断を下さなければならない。
 
 私は選手たちにアイデアを与えはするが、それをどのように発展・展開させるかは、選手たちの判断による。今日は選手個々を見て、満足いくところもあった。良い素材は揃っているから、あとはそれをチームとしてまとめるための力が必要だ。
 
――選手だけではなくて、システムもテストしたと思う。4-3-3を採用したりもしたが、フォーメーションに関しても、ある程度の手応えは得られたのか? あるいは、今後もテストは続くのか?
 
 今後もこういった(親善)試合で、日本にとってどのシステムが最適なのかを見ていきたいと思う。そしてもちろん、選手たちも同時に見ていく。1戦目と2戦目を比較すれば、2戦目はより良くなったと思う。そうして成長し続けていきたい。
 
――先ほど、仕事をし続けないといけない、と語っていたが、それは具体的にどういったことか?
 
まず、より堅い守備ができなければならない。この2試合では、守備であまり運が味方してくれなかった。2試合で4失点は多すぎる。
 
 そして、ボールを持った時はもっと速く回さなければならない。ボールを持ったら、選手はもっとプレーのオプションを得なければ。ただ、これはまだ始まったばかりで、練習のセッションもまだ5つか6つぐらいしかこなしていない。こういうことが起こるのは、自然だと思う。
 
――攻撃に関しては、スピードとプロコンダー(深さ)を重視するスタイルで、ある意味これまでの日本のサッカーのイメージを変えたとも見えるが、その点については? それから、グラウンダーよりも空中のボールを多用していたが、そのあたりの意図は?
 

 まず、どういうスタイルを求めるかといえば、上位に行けるスタイル。例えば、素晴らしいスタイルだと言われても、FIFAランキングの44位にいるよりは、あまり良いと思われないスタイルでも、20位以上に入りたい。だから、スタイルという部分はあまり重要視していない。重要なのは、プレーし、勝ち、上位に行くことだからだ。
 
 スタイルではないが、日本人選手の特長はどこかと聞かれれば、スピードが挙げられる。問題は、そのスピードをどのように活かすかということだ。2試合でスタイルを作ることはできない。まだ、日本代表のスタイルは確立されてないのだ。世界中のどの代表監督にやっても、2試合でスタイルを確立するのは非常に難しいだろう。
 
 ただ、長いボール、短いボール、両方ともサッカーの一部。ロングボールだけを強調して質問する意図が分からない。高いボールは(ルールで)禁止されているのか? 高いボールもサッカーの一部だ。

次ページたとえミスがあっても、選手が自分で判断を下したのなら満足。

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