【札幌】熾烈を極める前線のポジション争い。新たに加わった鈴木、岩崎、助っ人FWの現在地

2019年02月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

8日の東京V戦で結果を残した攻撃の新戦力はアンデルソン・ロペス!

東京V戦で岩崎(左)と鈴木(中央)は期待に応えられなかったものの、アンデルソン・ロペス(右)はゴールを決めてレギュラー奪取を猛烈にアピールした。写真:滝川敏之

  2月8日、沖縄の金武町陸上競技場を舞台にJ1の札幌とJ2の東京Vが45分×3本のトレーニングマッチを行ない、札幌が3本合計5-1(1-0、1-1、3-0)で勝利を収めた。
 
 昨季の札幌は就任1年目となったミハイロヴィッチ監督のもと、攻撃的なサッカーを志向。ACL出場権を獲得できる3位以内にはあと一歩届かなかったものの、勝点55を獲得して4位でシーズンを終えた。クラブにとって、大きく飛躍を遂げるシーズンになったのは確かだ。
 
 今季は大きな期待を背に新シーズンを迎えるなか、対戦相手からのマークが厳しくなることは間違いない。昨季以上に茨の道が待っているのは明らかだろう。特に今オフは、昨季のチーム内得点王だった都倉賢と攻撃面で多彩な役割をこなしていた三好康児が、それぞれC大阪と横浜へ移籍。ジェイやチャナティップが残っているとはいえ、ふたりが抜けた穴をどう埋めるかはひとつの注目ポイントとなっている。
 
 東京V戦は、新戦力のパフォーマンスに明暗が分かれた。ジェイ、チャナティップも出場した1本目は、アンデルソン・ロペスが魅せる。中央へのカットインからポスト直撃のシュートを放てば、最前線に入ったジェイとのコンビネーションから決定機を演出。20分には相手のパスミスをカットしたところから縦に突破して、ジェイのゴールをお膳立て。攻撃面で違いを作り出せることを証明した。
 
 一方、2本目に出場した鈴木武蔵、岩崎悠人はもう一歩の出来に終わった。「ボールを持っている時は、結構間で受けてコンビネーションできている場面もあった。ただ、サイドチェンジが入った後のところで、そこからの攻撃がまだ足りなかったと思う。そこはまた練習で合わせていきたい」とは鈴木の言葉。細かいコンビネーションやボールを運ぶまではうまくいっているだけに、あとは最後のところで周りとのすり合わせを続けていく必要がありそうだ。
 
 また東京五輪世代のひとりとしても注目が集まる岩崎は、収穫と課題の見つかる一戦となった。新たなチームの中でポジショニングや動き出しを含めて「流動性にはだいぶ慣れてきた」と、いろいろな局面に顔を出してボールを呼び込むところでは日々の進歩が見える。また「ゴールに対して向かっていくプレーは徐々に増えてきている」と振り返るように、積極的に得点を目指す姿勢はプラスに捉えていいだろう。

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