消息不明のサラをメンバーリストに! アーセナルのMDPが感動を呼ぶ「サッカーよりも大事なことがある」

2019年01月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

キャプテンのコシエルニーもコメントを寄せる

サラの名前がプリントされたアーセナルのMDP(マッチデイ・プログラム)。これが大きな話題を呼んでいる。 (C) Getty Images

 プレミアリーグの強豪アーセナルの行動が大きな感動を呼んでいる。

 現地時間1月29日、プレミアリーグ第24節が行なわれ、ロンドンのエミレーツ・スタジアムではアーセナルが2-1でカーディフに勝利した。

 結果こそ、5位のアーセナルが18位のカーディフを倒すという下馬評通りのものだったが、この試合で話題となったのは、戦前にスタジアムで販売されたマッチデイ・プログラム(MDP)の内容だ。

 アーセナルは、同誌の裏表紙に記載したカーディフのメンバーリストの中にエミリアーノ・サラの名前を印字したのである。

 今月20日、リーグ・アンのナントからカーディフへの移籍が決定していたサラ。しかし、ウェールズへ小型飛行機で向かっていた際にイングランドとフランスの間にある海峡で行方不明となった。

 捜索は一時打ち切られたが、多くのサッカー選手やチームから再開を嘆願する声が多数上がり、今も続けられている。ただ、サラを乗せた機体はまだ見つかっていない。
 
 カーディフのクラブ史上最高額となる1500万ポンド(約21億円)というビッグオファーを受け、新天地での活躍に胸を弾ませていた28歳の遅咲きストライカーの不幸は、ショッキングな事故として世界に知れ渡った。

 そうしたなか、その無事を祈る意味も込め、アーセナルはマッチデイ・プログラムにサラの名前を掲載。各選手の背番号がプリントされた部分には、ウェールズの国花である黄色い水仙があしらわれた。

 そんなマッチデイ・プログラム内には、アーセナルのキャプテンであるフランス代表DFのロラン・コシエルニーが語ったサラへの想いも記され、こちらも大きな反響を生んでいる。英公共放送「BBC」が伝えた。

「今日、僕らはカーディフを迎える。とてもエモーショナルな夜になるだろうし、僕らは皆、サラのことを考える。正直言って、試合に参加するのが難しい。だが、プロフェッショナルでなければいけないと思っている。でも、同時に感情的にもなるし、悲しさも感じる。明日がどうなるかなんて分からない。時としてサッカーよりはるかにに大事なことがある。

 サラの捜索が続けられていることはとても嬉しいし、サッカーが一つの大きな家族であることを示せたと思う。彼の家族には答が必要だと思う。彼らは気持ちの区切りを必要としているが、それは何かが見つからなければ訪れない」

 事故から10日以上が経ち、その生存は絶望視されているものの、捜索が続けられることになったサラ。彼の家族のためにも一日も早く何かしらの発見があることを待ちたい。
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