父親を亡くして悲しむ12歳のファンのために…マタの神対応を、少年の兄である英国人記者が明かす

2019年01月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

凍てつくような寒さの中で50分も。

父親を亡くした少年を励ますため、みずからサイン入りのユニホームを届けたマタ。(C)Getty Images

 サラリーの1%を慈善団体に寄付するプロジェクト「コモン・ゴール」を立ち上げるなど、マンチェスター・ユナイテッドのファン・マヌエル・マタは、ピッチ外での社会活動にも熱心だ。

 そんなマタの人柄がうかがえるエピソードを、ユナイテッドのファンでもあるジャーナリストのアンディ・ミッテン記者が『ESPN』で明かしている。昨年11月、ミッテン記者の父親が亡くなったとき、毎日のように泣き崩れていた彼の年の離れた弟ハリーくん(12歳)のために、マタが一肌脱いでくれたというのだ。
 
 ミッテン記者によると、弟のハリーくんが在籍する地元サッカークラブのチームメイトの親が、親交のあったマタとその恋人にミッテン家の訃報を伝え、「できたらハリーのために、サインかなにかを贈ってあげてくれないか」と相談したそうだ。

 するとマタは、実際に試合で着用したユニホームにサインを入れてプレゼントすると約束。さらに、恋人とともにハリーくんに直接手渡しに行くことを提案した。こうして、マタたちは1月16日、ハリーくんのチームの練習を訪れた。寒さしのぎの帽子を被っていたため、最初はマタとは気づかれなかったという。

 チームの監督は、「10分ほどの訪問になると聞いていた」とのちに明かしたが、凍てつく寒さの中、マタは子どもたちと約50分という時間を一緒に過ごしたという。監督は「信じられなかった。私たちのだれもが目の前の出来事を信じられずにいた」と驚きを隠さなかった。

 さらにマタは、20分にわたって少年たちのためにクロスをあげたり、ハリーくんにサイン入りユニホームをプレゼントしたりしたほか、他の子どもたちのユニホームやスパイクにも丁寧にサインをしてあげたそうだ。

 ミッテン記者は記事の中で、「ハリーが(記者である)私の弟であることはマタには知らせていない」としたうえで、「でも私はマタのことを知っている。彼がトップクラスの選手であると同時に、素晴らしい人間でもあることを。私は彼を心からリスペクトしている」と敬意を表した。

 プロサッカー選手として、子どもたちのために労をいとわなかったマタ。彼の人間性に触れた少年たちは、この日の出来事を生涯忘れないだろう。
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事