【アジア杯】「後押しになったし、嬉しかった」 悩めるストライカー、武藤嘉紀を勇気づけた原口元気の言葉とは

2019年01月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

「原口選手から試合前に…」

点で合わせる得意の形から同点ゴールをもぎ取った武藤(背番号13)。試合後のコメントには自信が漲っていた。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 アジアカップのグループF第3戦で、森保一監督率いる日本は、ウズベキスタンに2-1の逆転勝利を収め、首位通過を決めた。

 40分、カウンターからウズベキスタンの大型FWエルドル・ショムロドフに先制を許した日本だったが、リードを許していた時間はわずか3分。43分、見事なポジション取りから、ゴール前でフリーの状況をつくり、室屋成が放った右からのクロスを力強く頭で敵ゴールにねじ込んだのは、この日ワントップで起用された武藤嘉紀だった。

「スカウティングでも、クロスのときに相手が下がる傾向があるっていうのは監督もおっしゃってましたし、北川選手がニアで潰れてくれて、素晴らしいボールも来たんで、自分はもう押し込むだけでした。室屋選手は1対1に強いですし、クロスの質も高いので、信じて走り込んだら、そこに素晴らしいボールがきたって感じです」

 得点シーンを冷静に頭の中で再生した武藤は、このヘディングによるゴールを、「自分にとって大きな1点」と改めて振り返った。「代表で点が取れない期間が長く続いて、悩んだ時期もあった」からだという。

 そしてこの日、そんな悩めるストライカーを支えたのが、原口元気の言葉だった。

「今日、原口選手から試合前に、『お前らしさを全部出せば絶対に決まるから』っていう言葉をもらって。後押しになりましたし、ホントに嬉しかったですね」
 
 仲間に支えられて躍動した武藤の活躍もあり、森保ジャパンは前の試合からスタメンを10人入れ替えながらも、見事にウズベキスタンを下して首位通過を勝ち取った。殊勲者のひとりである武藤も、「だれが出ても戦えるってところを見せられた」と自信を深めている。

「サブ組でも1位通過をかけた試合に勝てたっていうのは、非常に大きいんじゃないかなと思います」

 次戦からはノックアウト形式の決勝トーナメントに突入する。対戦相手のレベルも上がり、確実に負荷が増していくであろう戦いを前に、武藤はどんな展望を描いているのか。

「とにかく先を見過ぎず、一戦一戦に100パーセントを出し切って勝つこと。力を残して勝てる相手ではないので。僕自身もしっかり準備したいです。今日90分近くプレーできたというのはコンディション的にかなりプラスになるので、またゴールを決めて、チームに貢献できればいいなと思います」

 開催国UAEの気候に慣れ、「やっと身体が動き始めた」とも語っていた武藤。エース大迫勇也のコンディションに不安を残す日本にとって、悩めるストライカーの"目覚め"は心強いかぎりだ。
 
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