赤いユニホームに別れを告げ、香川は思い出のドルトムントへ復帰

2014年08月31日 サッカーダイジェストWeb編集部

美しい記憶が詰まった古巣でどんな第2章を綴るのか。

失意の出戻りという形になってしまったが、ドルトムント復帰は香川にとってベストの選択肢だっただろう。 (C) Getty Images

 去就が注目されていたマンチェスター・ユナイテッドの香川真司が、ドルトムントと4年契約を結び、古巣に復帰した。2010年から2シーズンを過ごした古巣であり、大きな飛躍を遂げた思い出のクラブで、再起を期することとなったのである。
 
 ドルトムントでの日々を振り返ると、1年目はブンデスリーガで18試合に出場して8得点。DFBカップは2試合に出場し、ヨーロッパリーグでは6試合で2ゴールをマークした。日本代表として臨んだ2011年1月のアジアカップの準決勝・韓国戦で右足を骨折し、後半戦は棒に振ったが、それでもドイツ国内外で高い評価を得た。ドルトムントが9年ぶりに果たしたリーグ優勝は、香川を抜きには語れないと、そう言われたほどだ。
 
 2年目はさらなる活躍を見せる。トップ下から決定的な違いを生み出し、31試合に出場して13ゴールを挙げて連覇に貢献したのだ。5試合に出場して3得点を決めたDFBカップでも優勝に大きく貢献し、初めて挑んだチャンピオンズ・リーグでは6試合で1ゴールを決めた。
 
 国内2冠を達成したこのシーズン、香川はいずれの優勝決定戦(リーグ戦は優勝を決めたボルシアMG戦、DFBカップは決勝のバイエルン戦)でもゴールを挙げるという快挙をやってのけ、文字通りチームの中心として歓喜に酔いしれた。
 
 ドイツだけでなく、欧州中にその名を轟かせた香川は、一躍、移籍市場の注目銘柄となり、2011年6月、名門マンチェスター・Uへとステップアップの移籍を果たす。
 
 夢を抱いて臨んだプレミアリーグでの挑戦は、1年目は20試合に出場して6得点。28節のノーリッジ戦ではハットトリックを達成するなど手応えを掴んだものの、政権交代に揺れた2年目の昨シーズンはチームの低迷とともに、香川のプレーからも輝きが失われていった。
 
 今シーズンも政権交代のなかで居場所を見つけられず、移籍という決断をした香川。ルイス・ファン・ハール監督の下では試合出場すらままならない状況だっただけに、賢明な判断だっただろう。
 
 もっとも古巣に復帰したとはいえ、2年前とはメンバーが入れ替わっている。シーズン開幕後の加入であり、その点ではハンデを抱えていると言えるだろう。現在、トップ下を務めるヘンリク・ムヒタリアンを後方に下げて、香川のポジションを空けるという話もあるが、いずれにせよ早く新チームに馴染み、ユルゲン・クロップ監督にアピールしなければならない。
 
 舞い戻ったドルトムントで、はたして香川はどんな「第2章」を綴るのか。
 
【写真で振り返る】香川真司 IN ドルトムント 2010-2012
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