【清水|新体制】"トップ5"を狙う勝負のシーズン!新任の大榎GMは「スタイルは変わらないチームにしたい」と所信表明

2019年01月12日 前島芳雄

CBの補強は必須。今後、発表があるか…

写真左から梅田、中村、大榎GM、エウシーニョ、西澤。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 1月11日、清水エスパルスが2019シーズンに向けた新体制発表会見を行なった。
 
 近年はJ2降格や残留争いという厳しいシーズンが続いた中、昨シーズンは5年ぶりにJ1のひと桁順位(8位)に戻った清水。終盤は7戦負けなしで、内容的にも手応えのあるサッカーで1年を締めくくった。ヤン・ヨンソン監督をはじめコーチングスタッフに変化はなく、今季はさらなる飛躍を目指すというムードが強く表われた会見となった。
 
 3部構成の会見(第1部は新ユニホーム発表)の中で、第2部の「クラブ方針発表」では、左伴繁雄社長が登壇してスクリーンを使いながらクラブの経営方針を具体的に紹介。昨年掲げた中期3年計画を継続・深化させながら、常にJ1の上位争いができるクラブへと基盤を積み上げていくための方策や道のりを説明した。なかでも今季は「勝負をかけるシーズン」と語り、「リーグTOP5」と「単年度黒字」という目標を掲げた。
 
 そして第3部では、11日時点で4人(完全移籍2名、新人2名)の新加入選手が紹介された。目玉は右サイドバックのエウシーニョ(川崎)で、昨年は駒不足によりセンターバックの立田悠悟を起用していたポジションに、J屈指の選手を獲得できたことは非常に大きい。エウシーニョ本人も「清水に来られてとてもうれしい。何かひとつでもタイトルを獲りたい」と新天地のプレーに強い意欲を見せていてる。

 もうひとりの移籍組は、長崎で昨年チーム2位の7ゴールを決めた中村慶太。ドリブル突破と得点力が持ち味で、こちらも清水に足りないと言われていた特徴を持つ選手だ。

 新人の西澤健太(筑波大)と梅田透吾(清水ユース)は、どちらも清水のアカデミー出身。西澤は日本代表・北川航也の同級生で、大学を経てトップチームに加入したユース出身選手は清水としては初めてであり、その意味でも注目される。

 現状でも少数精鋭の的確な補強と言えるが、気になるのは背番号4、10、11が空き番号になっているところ。特にフレイレと角田誠が抜けたセンターバックは補強が欠かせないため、今後の動向からも目が離せない。
 
 また、GMには初めてクラブOBの大榎克己氏が就任し、「クラブとしてアイデンティティやフィロソフィーをしっかりと持って、監督が代わってもサッカーのスタイルは変わらないチームにしたい」と語った。
 
 その過程で今季は、昨年1シーズンかけて作り上げてきたヨンソン監督のサッカーをさらに進化させ、トップ5を目指しながら、その先のACL出場やタイトルも視野に入れつつ戦うシーズンとなる。

取材・文●前島芳雄(スポーツライター)

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