【選手権】連戦で行なう大会日程はどうすべき?流経大柏を率いる名将・本田裕一郎監督からの再提言

2019年01月04日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

本田監督が疑問視したのは、"中0日"で行なわれる2回戦と3回戦の日程だ

選手の体調を考えると、休みなしで次の試合に挑むのは非常に厳しい。本田監督が日程の見直しを提言したのもそのためだ。写真:田中研治

[高校選手権・3回戦]流経大柏 1-0 星稜 /1月3日/フクアリ
 
 前回準優勝の流経大柏がベスト8へ駒を進めた。3回戦で4年前の覇者・星稜と対峙。前半5分にCKから鹿島入団内定の関川郁万(3年)がゴールを奪うと、粘り強いディフェンスで相手の攻撃を封じ込んでいく。2連戦目となったこの日は2日の徳島市立戦(2-1)で見せたような運動量は影を潜めるも、要所を締めて1-0で逃げ切った。
 
 試合後、報道陣の前に現われた本田裕一郎監督は「ボールを拾ったら素早く攻める。ミスを承知の上でやる。ミスを怖がらないで、速さを優先させる。トーナメント戦だから(その戦術で戦って)というところもある」と、一発勝負仕様の戦い方が勝負のポイントだったと話した。
 
 ただ、"中0日"での戦いは簡単ではなかったともいう。2日の試合は13時40分過ぎに終了。3日の試合も同様に第1試合のため、キックオフまで24時間を切っている状態で3回戦に向けて準備をスタートさせた。選手のコンディションを考えれば、最低でも中1日は空けて次の試合に挑みたい。全国制覇6度の名将もその大会スケジュールに疑問を持っており、ミックスゾーンで過密日程の是非について言及した。
 
「昨日と打って変わって今日(の試合内容)はダメだった。あと1日あったらなと思う。星稜さんもそうだけど、もう1日休んだら違うと思う。盛んに私は言っていますけど、そうなったらいいですね」
 
 本田監督は昨年度の選手権決勝後にも同様の問題について検討すべきだと声をあげている。

「高体連はプレーヤーズファーストを掲げているのだから、運営最優先ではなく選手最優先で考えてもらいたい。人間の身体は24時間開かないと回復しない。皆さんご存知なのに、連戦、連戦になっている。そういうのは私たちの時代で終わりにすべき。96回の歴史で何を学んだか、何が進化したのかを検証しないといけない」
 
 こうした意見を公の場で述べてから早1年。現段階で日程の見直しは行なわれていない。もちろん運営側や会場の都合があり、仮に会期を延長するとなれば金銭的な負担も増えるだろう。それでも再度意見を述べたのは、選手を思っているからだ。本田監督は若き才能を潰さないためにも、スケジュールの見直しを心の底から願っている。

取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWEB編集部)
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