「一番印象深いゴールは?」の質問に、小笠原満男が挙げた忘れがたきワンシーン

2018年12月28日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「あのインサイドキックひとつが、自分の中では印象深い」

時折、笑顔も見せた引退会見。愛すべきアントラーズに対し、「常にタイトルを獲り続けるチームであってほしい」と願った。写真:田中研治

「来シーズンのアントラーズも、常にタイトルを獲り続けるチームであってほしい」
 
 12月28日の引退会見で、小笠原満男は愛すべきチームのさらなる飛躍を願った。小笠原自身、鹿島が獲得した20のタイトルのうち、実に"17冠"に貢献してきた。ただ、「自分の中では良い思い出より、悔しい思い出のほうがすごく多い」という。
 
「自分のせいで負けた試合はたくさんあるし、あと一歩で取れなかったタイトルも数多くある」
 
 Jリーグで一番、印象深いゴールについて問われば、こんな風に答えた。
 
「ゴールではないんですけど、(99年の)ナビスコカップ決勝で、PK戦で自分(のキック)がキーパーに止められてしまった。あのインサイドキックひとつが、自分の中では印象深いです」
 
 柏レイソルとの一戦は2-2のまま延長戦に入っても決着が付かず、PK戦に突入。後半頭から出場していた小笠原は6番目のキッカーを任されたが、失敗。後攻の柏の選手が決めて、鹿島は準優勝に終わった。
 
「ひとつのキックで試合に勝てることもあれば、負けることもある。インサイドキックで狙ったところに蹴るっていう大切さを感じたし、自分のミスで負けたんだって」
 
 プロ2年目に味わった苦い経験を糧に、基本技術を磨いた。どんな状況でも正確に味方に届けるショートパス、あるいはサイドチェンジは、まさに職人芸とも言えた。そんな小笠原のプレーをピッチ上で見られなくなるのは、やはり寂しいものだ。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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