獲得までの交渉期間は約2年…ユベントスSDが「もっとも難航した」と振り返るビッグネームは?

2018年12月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

C・ロナウドとの交渉は「かなり簡単だった」

2010年にユーベのSDに就任したパラティチ氏とその家族。この敏腕SDが「もっとも獲得が大変だった」と振り返った大物とは…。(C)Getty Images

 レアル・マドリーからクリスチアーノ・ロナウドという超ビッグネームを獲得するのは、ユベントス首脳陣にとって大変な取引だったはずだ。だがファビオ・パラティチSD(スポーツディレクター)は、本人の希望があっただけに、難航することはなかったと明かした。

 パラティチSDはイタリア衛星放送『Sky Sport』のインタビューで、「クリスチアーノとの交渉はかなり簡単だった。彼がユーベに来たがっていたからだ」と述べている。

「彼を納得させなければいけないことは、そう多くはなかった。チャンピオンズ・リーグ(CL)決勝の後だったと思うが、彼の考えはすでにはっきりしていた。『ユーベが必要としてくれるなら、自分はユーベだけを望む』と言ってくれてね」

 また、アンドレア・アニェッリ会長に初めてC・ロナウド獲得について話した時のことについて、パラティチSDは「話をした1分後には、会長がすでに獲得の方向で考えていると分かった」と振り返っている。

「オフィスを出た時には、私は獲得できると信じていた。会長からは『1日か2日考えさせてくれ』と言われたが、3時間後には承諾の電話があったよ」

 では、2010年からSDとしてユーベの戦力強化に携わってきたパラティチにとって、もっとも"消耗"させられた取引はなんだったのだろうか。本人は「交渉(時間)の長さという点から言えば、カルロス・テベスだったと思う」と明かしている。

「テベスと初めてコンタクトを取ったのは、私にとってのユーベでの1年目(2010‐11シーズン)が終わった頃だった。残念ながら7位に終わり、CL出場権は得られなかった。CLに出なければ大物選手が来るのは難しい。でも彼はすぐに、『CLに出なくてもユーベに行く』と言ってくれた。だが、金銭面やその他の理由から交渉がうまくいかなかったんだ」

 それでも、「テベスをユーベに連れてくることが頭から離れることはなかった。だから我々はずっと連絡を取っていた」と語るパラティチSDは2013年、ついにその目標を達成している。
 
 そのテベスを獲得した当時、ユーベを率いていたのはアントニオ・コンテだった。現在のマッシミリアーノ・アッレグリ監督との補強に関する考え方の違いについて、パラティチSDは「コンテにはひとつのプレーシステムがあった。だから当然、それに機能する選手たちを見つける必要があった」と説明した。

「その意味でアッレグリはもっと柔軟なんだ。彼のシステムはひとつではない。よりオープンで、より多くの解決策を持つ。だから、マーケットの幅がもう少し広がるんだ」

 そして手に入れたのが、C・ロナウドだ。マドリーで何度もビッグイヤーを掲げたCR7の加入により、ユーベは悲願の欧州制覇に向けて意気込んでいる。だがパラティチSDは、「我々にとっての大望だが、それが苦悩になってはいけない」とも付け加えた。

 テベスがいた頃には成し遂げられなかったCL制覇を、パラティチSDはC・ロナウドとともに達成できるだろうか。
 
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