「改善されている」「アジアカップでの離脱は痛い」 柴崎岳の“成長ぶり”にヘタフェ指揮官が感心!

2018年12月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

司令塔としてよりも守備面での頑張りが目立った

守備的な戦いを基本とするヘタフェに適応しようと、柴崎はプレースタイルの変化を見せた。 (C) Getty Images

 年内最後のホーム戦で、ヘタフェの柴崎岳が獅子奮迅の活躍ぶりを披露。指揮官から高評を送られた。

 現地時間12月15日に行なわれたラ・リーガ第16節、ヘタフェ対レアル・ソシエダの一戦は1-0でホームチームが勝利した。この試合で柴崎は、開幕戦以来15試合ぶりにスタメンに名を連ねると、4-4-2システムの左MFとしてプレー。そして開始3分、いきなり先制点に絡む。

 味方からのスルーパスに反応した柴崎は、先にボールに触った相手DFがGKにバックパスしたところを途中でかっさらい、スライディングしながらシュート。これは飛び出したGKに弾かれたものの、そのこぼれ球をモリーナがゴールに流し込んだ。

 柴崎はこれだけでなく、不慣れな左サイドで攻守に渡って身体を張る姿を見せ、69分にピッチを退くまで、チームの守備的なスタイルに必死に適応しようと献身的なプレーを続けた。

 交代する際、ホームのサポーターから万雷の拍手を送られた柴崎について、試合後、指揮官のホセ・ボルダラスは、「ガクには満足している」と称えた。そのコメントをスペイン紙『Marca』が伝えている。

「試合に参加できていない日々が続いていたが、彼はチームに良い貢献をしてくれた。あの途中交代は、チームをフレッシュにするためだった」

 創造性に溢れ、中盤でタクトを振るう――。日本のサッカーファンが柴崎に対して抱く司令塔のようなプレーは、この日はほとんど見られなかった。しかし、チームのために左サイドでアップダウンを繰り返した献身性を、スペイン人指揮官は高く評価している。

「彼はとても良い練習をしていて、改善されてきている。チームが必要としていることをしっかり理解しているね。左サイドでの起用の理由は、戦術的かつ技術的なものであり、本人が私の決断を導いてくれた。満足しているよ」

 このように称賛された柴崎だが、来年1月に開催されるアジアカップに出場する日本代表メンバーに選出されたため、最大で1か月以上もチームを離れる可能性がある。これについてボルダラス監督は、「痛手だ。ありがたいことではない」と嘆いている。

「彼はヘタフェの選手で、いつだってチームの助けになってくれる。とても誠実で、真剣に働いてくれるし、戦力に数えられるのならそうすべき存在だ。クラブや我々スタッフにとって、それだけの期間を離れることはありがたいことではないが、そういうスケジュールなのだから仕方ない。違う選手を、戦力として立てなければいけないね」

 間もなく幕が開ける冬の移籍市場で、新たな活躍の場を求めるとも噂されている柴崎。指揮官から期待の声をかけられた日本の司令塔は、いかなる決断を下すのか? その動向から目が離せない。
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