ビジャ獲りに続く一手は?急速に「バルサ化」を進める神戸の補強プランを探る

2018年12月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

神戸のポゼッション志向を「日本人のテクニックにはこのスタイルが一番合う」とイニエスタも後押し

ビジャ(右から2番目)の獲得に続き、元バルセロナのアドリアーノ(左から2番目)や山口(右)、初瀬(左)にもオファーしているという。

「バルサ化」を推し進めるヴィッセル神戸が、今季の最終節でビッグサプライズを用意していた。12月1日に行なわれたホーム仙台戦。ハーフタイムになって選手たちがロッカールームへ引き上げると、ノエスタの大型ビジョンに映し出されたのが、ジャケット姿のダビド・ビジャだった。スタンドからどよめきが起きる中、ゴール裏にも足を運んだワールドカップ得点王。公式発表、そして試合後に開かれた加入会見よりも一足早い、サポーターへのお披露目だった。
 
 かつてバルセロナでチャンピオンズ・リーグ制覇を果たし、スペイン代表としては優勝した10年の南アフリカ・ワールドカップで得点王になったビジャ。MLSニューヨーク・シティからの退団が発表されたのが11月29日で、わずか3日後に電撃的な完全移籍での獲得が発表された。
 
 3-2で勝利した仙台戦の試合後、ビジャの移籍加入会見で壇上に上がった三木谷浩史会長は「世界最高峰の3人がいる。夢のような競演が見られることを私自身ワクワクしている」と笑みを浮かべた。ルーカス・ポドルスキ、アンドレス・イニエスタに続く世界的スターの獲得。ビッグディールに成功した同会長は、来季のスタイルを問われ、こう答えた。
 

「今までの概念なら、日本人にはポゼッションサッカーは無理なんじゃないかということだったが、アンドレスと話をする中で"日本人のテクニックにはこのスタイルが一番合うんじゃないか"ということだった。リージョ監督に来てもらい、このスタイルを追求していっている。最後は残留争いに巻き込まれかけたが"このスタイルを貫く"という覚悟があったので、来シーズンも築き上げてきたスタイルに磨きをかけて、面白いだけじゃなくお客さんを魅了するサッカーをしていきたい」

 かつての堅守速攻から脱却し、バルセロナのようなポゼッションを重視した攻撃的サッカーへとシフトしたのが昨オフ。8月には吉田孝行監督を解任すると、「グアルディオラの師匠」という異名を持つ戦術家のファンマヌエル・リージョ監督を招聘した。8~9月に5連敗を喫するなど苦しんだが、スタイルは変えないまま戦い続け、最終的に10位でフィニッシュ。今季の目標だった「ACL出場権獲得」、その先にあるアジア制覇を果たすためには、何が必要なのか。補強を模索するなかで、三木谷会長はリージョ監督と意見交換し、浮かび上がってきたのが圧倒的な実績を誇るビジャの存在だった。

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