「まだ彼を殺すべきじゃない」 イニエスタがバルサの若き“遅刻魔”に寛容な意見!

2018年12月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

度重なる規律違反で非難殺到のデンベレ。

規律違反を繰り返してしまったデンベレについて意見したのは、バルサのレジェンドで、ヴィッセル神戸で活躍するイニエスタだ。 (C) Getty Images/茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 私生活での行ないの悪さに批判的な声が強まり、そのポテンシャルを発揮できずにいるバルセロナのフランス代表FWウスマンヌ・デンベレ。そんな俊英を、スペイン・サッカー界の"巨星"アンドレス・イニエスタが擁護した。

 デンベレに人々から厳しい視線が向けられているのは、彼が度重なる規律違反を犯しているからだ。

 11月8日には友人と深夜までTVゲームに熱中してチーム練習に遅刻したことが明らかとなり、さらに今月9日にも集合時間を2時間もオーバーしてクラブハウスに現われるなど、素行不良が目立っている。

 フランス代表のディディエ・デシャン監督をはじめ、周囲からは幾度となく態度を改善するように求められているようだが、いまだ改められないデンベレの態度に業を煮やしている一部のメディアやファンからは、「クラブはいい加減に彼を売却すべきだ」という辛辣な声も少なくない。

 昨夏に総額1億4500万ユーロ(約188億円)という大金をバルサが投じたことを考えれば、厳しい声が上がるのも当然ではある。しかし、まだ21歳。人生経験も少なく、「青二才」と呼ばれてもおかしくはない。

 だからこそ、バルサの下部組織で育ち、ブラウグラナ(青とえんじの意)のユニホームを身に纏うことの厳しさを誰よりも知っているイニエスタは、「手を施してあげなければいけない」と、デンベレに更生の余地を与えるべきだと意見する。

 現地時間12月11日に行なわれた『Ariel』社のプロモーションイベントで、イニエスタは「僕は外にいて詳しい情報を持っていないから、彼の状況を具体的に評価するのは難しい」と前置きしたうえで、「厳格さや規則はなくてはならないし、もし敬意が払われていないのなら、クラブやスカッドはその状況を改善すべきだ。ただ、彼はバルサにとって非常に価値のある選手だよ」とコメントした。

 2人は、イニエスタがヴィッセル神戸に加入する前の2017-18シーズンに共にプレーしている。ゆえにデンベレの才能を熟知する元スペイン代表MFは、「まずは問題を解決しないといけない」と、見限るのは時期尚早と持論を続けている。

「今はまだ、彼を"殺す"ことなく、問題を見直さなければいけないと思う。殺すのは、救済策がなくなった時だ。今はそれよりも、態度を正さなければいけない。まだ、手の施しようがない状況だとは思わない。僕からのアドバイスは、『間に合うだろう』ってことさ。改善するための措置は講じることができる」

 カタルーニャのテレビ局『TV3』によれば、バルサはデンベレに対して5万ユーロ(約644万円)の罰金処分を科し、厳しくお灸を据えたとされている。

 12月11日に行なわれたチャンピオンズ・リーグのグループステージ第6節のトッテナム戦で、高速ドリブルから相手守備陣を切り裂いてゴラッソを決めたデンベレ。そのプレーぶりを見れば、大舞台でも活躍できるだけのポテンシャルを持っているのは間違いない。

 あとは、ピッチ内外でプロフェッショナルらしく振る舞い続ければ、周囲の雑音も自然と消え、チーム内での信頼も高まっていくはずだ。果たしてこの先、俊英アタッカーの姿勢に改善が見られるだろうか。

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