「パリへの移籍は失敗だった…」 元バルサの“教育係”がセレソンの後輩ネイマールの退団に改めて苦言

2018年11月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

「世界で最も美しい髪は持てても、求めるものは手に入らない」

バルサに在籍していた時よりも、個人的な話題が先行しているネイマール。一部で疑問視されているパリでのキャリアを、元セレソン戦士が一刀両断した。 (C) Getty Images

 昨夏にサッカー界を大きく賑わせたのは、ブラジル代表FWネイマールの去就動向だった。

 当時、バルセロナに所属していたセレソンの至宝は、残留が濃厚視されるなか、急転直下でパリ・サンジェルマンへの移籍を決断。バルサが設定していた契約解除金2億2200万ユーロ(約284億円)をパリSG支払うことで、世紀のメガディールが現実のものとなったのである。

 加入1年目のネイマールは、成績こそ公式戦38試合で28得点・16アシストと圧倒的だったものの、ワンマンな姿勢で同僚との対立が噂された他、相手のチャージを受けてはシミュレーションを繰り返し、さらにプライベートでの目に余る行動など悪目立ちして、大きく株を落とした感が否めなかった。

 26歳となってキャリアの岐路に立たされているネイマールだが、そんな彼に対して手厳しい言葉を送っているのは、現役時代にバルサでプレーし、セレソンの一員として2002年の日韓ワールドカップ制覇に貢献した元ブラジル代表MFのエジミウソンだ。

 2013年夏にサントスからバルサへネイマールが移籍した際には、すでに引退していたにもかかわらず、後輩が早く環境に適応できるよう"教育係"も務めたエジミウソンは、『Omnisport』の取材に対して「私の見解では、彼のパリ行きは失敗だったね」と主張し、"後輩"の決断をバッサリと斬っている。

「ネイマールのキャリアは、とても個人的なことが主題となってしまっている。彼はバルセロナを離れてパリに行くことを決断したが、それは私の見解では失敗だ。彼の考えは尊重するが、それでも世界でナンバーワンの選手になりたいのならば、バルサにいることが最も近道だっただろう。

 リーグ・アンでは、パリSGが他のチームを大きく先行している。だから、彼は苦しんでいるんだ。対戦相手が悪いという話ではない。マルセイユやリヨンは競争力のあるチームだしね。パリSGが国際的なメンバーを揃えているため、それが複雑なことになるんだ」

 さらにエジミウソンは、ネイマール自身にも問題があると考えている。「重要なのは才能じゃない」と口にした42歳の元セレソン戦士は、メッシとクリスチアーノ・ロナウドを引き合いに出して、持論を展開した。

「僕は、ネイマールが良いメンタルを保ち、情熱を持ち続けることを願うよ。これは選手にとって、どんな才能を持つことよりも重要なんだ。もし、彼が何かに満足できず、プロフェッショナルとしてサッカー界で生きることができなければ、求めるものは手にできない。たとえ、世界で最も美しい髪型を持つことができても、だ。

 C・ロナウドとメッシを見るといい。彼らにとってはいつだって、サッカーこそが己の目標だ。だからこそ、彼らは毎シーズン、40ゴール以上も決め、世界最高の選手であり続けているんだ」

 一部では、当人がバルサへの再入団を望んでおり、早ければ今シーズン終了後に電撃復帰が実現するとも報じられているネイマール。果たして、そんなセレソンの至宝にエジミウソンからの忠告は届いているのだろうか?

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