エムバペが「ゴールデンボーイ賞」最終候補漏れも、主催側は「彼はもう次のレベルに進んだ」

2018年11月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

卒業した大学に戻ってまた試験を受けるようなもの

ちなみに20日のウルグアイ戦で痛めた右肩について、パリSGは48時間以内にいつ回復するかが判明するとしている(カメルーン戦で股関節を痛めたネイマールも同様)。 (C) REUTERS/AFLO

 イタリアのスポーツ紙『Tuttosport(トゥットスポルト)』が主催する「ゴールデンボーイ賞」。欧州で最も活躍した21歳以下の選手に与えられるもので、欧州主要国の大手新聞各社の投票によって決定される。
 
 2003年の第1回でラファエル・ファン・デル・ファールトが受賞して以来、ウェイン・ルーニー、リオネル・メッシ、マリオ・バロテッリ、マリオ・ゲッツェ、イスコ、ポール・ポグバら、歴史に名を残すスター選手たちがこの栄誉を手にしてきた。
 
 迎えた16回の今年、最終候補が5人に絞られ、トレント・アレクサンダー=アーノルト(リバプール)、ヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリー)、パトリック・クトローネ(ミラン)、ユスティン・クライファート(ローマ)、そしてマタイス・デリフト(アヤックス)がノミネートされた。
 
 いずれも今年、大きなインパクトを残した選手ばかりであり、選出に異論はないものの、一方である選手が漏れたことが、人々に少なくない驚きを与えている。それは、パリ・サンジェルマンのフランス代表FW、キリアン・エムバペだ。
 
 2016-17シーズンにモナコで大活躍を見せて17年夏にパリ・サンジェルマンに移り、すぐに主力として定着。今夏のロシア・ワールドカップでは背番号10を背負い、幾つも記録を樹立してフランスの世界制覇に貢献した彼は、10月に候補者40名が発表された際には、昨年に続いての連続受賞が有力視されていた。
 
 この意外な選外について、主催側の責任者であるマッシモ・フランキ氏は、以下のように見解を語っている。
 
「毎年、新しい選手が受賞するのが、この賞の"哲学"と言えます。それは、2005年にメッシ(当時18歳)が受賞してから始まったものです。彼は翌年以降も、まだ十分に若かったのですが、2度目の受賞をすることはありませんでした」
 
「エムバペは昨年、ゴールデンボーイ賞を手にしてから1か月後に、バロンドールの投票で7位に入りました。モナコでリーグ優勝を1度経験しただけなのに、です。そして今年、パリ・サンジェルマンで活躍し、代表ではワールドカップで優勝しました。いまや、バロンドール受賞の有力候補のひとりです」
 
「バロンドールに手が届きそうな選手が、今さらゴールデンボーイ賞に"戻る"必要はないでしょう。過去に、メッシやルーニーがそうであったように」
 
「受賞の条件は満たしているため、エムバペは候補には入りました。規定上は、2年連続の受賞もあり得ない話ではありませんでしたが、それは大学を卒業した者が、わざわざまた入学して試験を受けるようなものでしょう。彼はもう、次のレベルに進んだのです」
 
 19歳にして、もはや若手の括りで見る必要はないということであり、改めてエムバペの成熟ぶり、"怪物"ぶりが窺える話だ。
 
 バロンドールについては、メッシ、クリスチアーノ・ロナウドが最終候補から漏れ、エムバペ、ルカ・モドリッチ、ラファエル・ヴァランヌの3人が賞を争うというニュースも流れているが、神童は飛躍の年の最後に、さらなる金字塔を打ち立てるのだろうか。
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