本田圭佑のインパクトは小野伸二以上⁉Aリーグ識者に訊く"2大スター"のリアルな現地評

2018年11月22日 植松久隆

開幕後の単純な成績では本田に軍配が上がるが…

今季からAリーグ入りした本田(左)と2012年から3シーズンに渡ってWSWでプレーした小野(右)。2大スターの評価を豪州の識者に訊いた。(C)Getty Images

 有言実行。本田圭佑ほど、この言葉を結果で示し続けてきたフットボーラーもそうはいない。
 
 11日のセントラルコースト戦の前日、公式インスタグラムで新しいスパイクの到着を受けて本田は、「(スパイクの)色が変わるとすごく新鮮な気持ちになる。これまで、結構、色が変わった最初の試合は点を取ってきたので、今週末(11日)、バチんと決められたらいいなと思ってるので、楽しみにしといてもらえればなと思う」と"予告"。
 そして迎えた試合で、相手DFのパスをカットして自ら持ち込んでの豪快なゴールをバチンと決めた。千両役者らしく観衆を魅了する勘所を抑えて簡単にやってのけるのには、いつもながら驚かされる。
 
 本田の好調は、開幕からの4試合2得点・3アシストと言う結果がすべてを物語る。その活躍を受けて、チームは2連勝で4 節終了時点で4位まで浮上した。まずは上々の滑り出しと言って差し支えあるまい。
 そんな本田を巡って、今後、豪州国内でどこかのタイミングで避けて通れないと思われるのが、彼にとってAリーグ、そして日本代表のいずれにおいても偉大な先達たる小野伸二との比較論だ。もちろん、プレースタイルも全く異なるふたりの比較には無理がある。それでも、現地のファンが、ともに日本人マーキー・プレーヤーであるふたりを折に触れて比較することもあり得るだろう。
 
 12-13シーズンに新設されたウェスタンシドニー・ワンダラーズ(WSW)に加入した小野。そのシーズンの滑り出し4試合は1勝1分2敗で8位と低迷するなど決して万全ではなかった。小野は、開幕戦は残り30分で交代出場で引き分け、残り3試合はトップ下で先発したが、そのプレーの端々でクオリティの違いは見せるも得点やアシストという結果は残せなかった。
 
 これらの単純な成績比較だけならば、今年のAリーグの顔として鳴り物入りで入団した本田に軍配が上がるが、もちろん、それで優劣が決まるわけではない。そこで、選手としての特性が異なるふたりの現時点での比較は難しいと承知の上で、豪州フットボール界に詳しい識者数名にも意見を求めてみた。

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