【U-21】文句なしのMVP&得点王!! プロを見据える大学生ストライカー、上田綺世の成長が止まらない!

2018年11月21日 林 遼平

最終戦ではチームに勝点1をもたらす、難易度の高いゴールを決めた

第2戦のクウェート戦でハットトリック。飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続ける点取り屋は大学サッカーでさらなる成長を誓う。写真:林遼平

[ドバイカップU-23]U-21日本代表 1-1 U-23UAE代表/11月20日/ドバイ

 日本に勝点をもたらしたのは、「FWが得点を取る理由はチームを勝たせるため」と言い切るストライカーだった。
 
 U-21日本代表はドバイカップU-23の第3戦でUAEと激突。優勝を勝ち取るために、なんとしても勝利が欲しい状況でラストマッチを迎えていた。しかし、序盤から相手に主導権を握られてしまうと、粘り強い戦いを続けながらも後半開始早々に先取点を献上。このままでは、3位転落を余儀なくされる展開を強いられていた。
 
 そうした苦しい状況で、流れを一変させたのが法政大2年の上田綺世だ。第2戦のクウェート戦では右足、左足、ヘディングと多種多彩な得点パターンでハットトリックを達成していた大学生ストライカーは、後半開始からピッチに立って前線で躍動。鋭い動き出しで相手の背後を突けば、ポストプレーでチームのパスワークを循環させるなど、前線で起点を作ることに成功した。
 
 そして以前から「チームに数字をもたらすのがFWの仕事」と表現する男は、71分に自分の仕事を遂行する。伊藤達哉のパスに杉岡大暉が抜け出した瞬間、素早い動き出しで前線に走り出すとクロスに対してニアサイドで左足を合わせる。

 難しい体勢から放たれたシュートは「自分的には難易度が高いシュート」だったものの、ゴール左上に突き刺さった。「自分に与えられる時間というかチャンスが何分あるかわからないけど、その時間の中で自分ができる最大限を出して、それが結果につながったらなおいいかなと思う」と試合前に語っていた通りの活躍を見せ、チームに同点弾をもたらしたのである。
 
 ただ、惜しむらくは87分にあった決定機を決められなかったことだ。伊藤達哉のクロスに相手の背後から前に入り、うまくヘディングを合わせたがゴール右に外れた。「今日のヘディングなどは決めないといけない。もう一個取れてようやく一人前かなと思う」とは本人の言葉。チームの勝点獲得に貢献はしたものの、勝たせられなかったことに対する悔しさが口をついた。

【U-21日本代表PHOTO】アラブ首長国連邦遠征(ドバイカップU-23)に向けた招集メンバー23人

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