「愚か者」発言のボヌッチ、ミラン・サポーターに謝罪も「国民を代表している時にブーイングされるのは…」

2018年11月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

「息子たちや妻、母親も侮辱されてきた」

今回、ボヌッチ(左)は語ったことは、ポルトガル戦の後にマンチーニ監督(右)が訴えたことと、ほとんど同じだった。 (C) Getty Images

 ユベントスに所属するイタリア代表のレオナルド・ボヌッチは、昨夏にミランへ移籍し、キャプテンマークまで巻いたものの、わずか1シーズンでユーベに出戻った。そのため、彼に対して敵対心を抱いているミランのサポーターは少なくない。
 
 先日のセリエAでの試合でも、ミランの本拠地サン・シーロのサポーターはボヌッチを批判。ゴール裏スタンドに、「お前より酷いのは、スケッティーノだけ」という横断幕も掲げられたほどだ。スケッティーノとは、2012年に起きたコスタ・コンコルディアの座礁事故で逃げ出した船長の名前である。
 
 そして11月17日にサン・シーロで行なわれたUEFAネーションズ・リーグのイタリア対ポルトガル戦でも、ボヌッチはブーイングを浴びせられた。これに対してボヌッチは試合後、「愚か者の母親は常に妊婦」と発言。サポーターを「愚か者」と表現するかたちで批判した。
 
 イタリア紙『Gazzetta dello Sport』によると、20日のアメリカ代表との国際親善試合でキャプテンマークを巻いたボヌッチは、この試合を前に「ユーベやミランのユニホームを着てブーイングされた時は、いつだって受け入れてきた」と、改めて不満を口にしている。
 
「サポーターは、サッカーの情熱的な側面だ。それぞれの忠誠に生きている。だが残念ながら、イタリアにはブーイングする文化があるんだ」
 
 ボヌッチは、「サポーターに対して間違った呼び方をしたことは謝る。スタジアムの大半の人が応援してくれて、(罵倒したのは)少しだけだったんだし、避けられたはずだ」とコメント。「愚か者」と発言したことを謝罪した上で、「だけど、僕は腹が立ったんだよ」と続けた。
 
「イタリア代表の試合の時は、そういうことは脇に置いておくべきだったんじゃないかな。彼らがしたことは、所属クラブが違うからといって、僕が代表試合でチームメイトにパスしないのと同じことじゃないか」
 
 さらにボヌッチは、「息子たちや妻、母親も侮辱されてきた。僕はいつでも、中傷には反対だ。代表のユニホームを着て7000万人の国民を代表している時に、ブーイングされるのは素晴らしいことじゃなかった」と怒りを表わしてから、「でも、終わりにしてページをめくろう」と切り替えた。
 
「自分が多くの人の標的になったことは分かっている。だけど、人生において大事なのはもっと別のことだということも、僕は知っているんだ」
 
 ボヌッチとミラニスタの険悪な関係は、このまま続くのだろうか。
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