鮮やかなルーレット&シュート!観衆を魅了した一撃に堂安律はなにを感じたのか

2018年11月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

「決め切れるか決め切れないかが、上に行けるか行けないかになって来る」

26分に堂安は鮮やかなターンから冷静にゴールを狙った。観衆を沸かせるには十分な一撃だったが、本人は納得していないという。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[キリンチャレンジカップ2018]日本 1-1 ベネズエラ/11月16日/大分スポーツ公園総合競技場

 11月16日に行なわれたキリンチャレンジカップのベネズエラ戦。選手を乗せたバスが渋滞に巻き込まれスタジアムに入ったのは、キックオフの40分前。十分に身体をほぐせず、試合開始までにボールを触れたのはウォーミングアップ場での僅かな時間だけだ。しかし、右サイドハーフでスタメン出場した堂安律は、そうした不測の事態をまるで感じさせないプレーを見せ、試合開始からアグレッシブな仕掛けで何度も敵陣に切り込んでいった。
 
 最大の見せ場は26分の決定機。ペナルティエリア内で大迫勇也からパスを受けると、鮮やかなターンで中から外に逃げ、利き足ではない右足のチップキックでゴールを狙った。惜しくもこれは枠を捉えられなかったが、観客を沸かせるには十分過ぎる一撃だった。
 
 以降も得意の左足と変幻自在なボールタッチで敵陣に侵入。77分にピッチを退くまで、自身の特長を余すことなく見せ付けた。先月のウルグアイ戦に続くゴールとはならず、終盤に同点に追い付かれたチームを勝利に導けなかったが、個人としては上々の出来だったと言えるだろう。
 
 ただ、本人はそうしたプレーぶりに納得できたわけではない。「個人的には毎試合ごとによくなっていると感じている。自分の感覚も凄く良くなっている感じがする」と一定の評価を下しつつも、ノーゴールに終わった事実を誰よりも悔やんでいる。
 
 とりわけ、前述した26分に迎えたシュートチャンスには思うところがある。「GKがあまり前に出てこなかったので、ニアにコロコロと転がすつもりだったんですが、咄嗟に判断を変えたので技術が付いていかなかった」と猛省し、「決め切れるか決め切れないかが、上に行けるか行けないかになって来る。それで言えば、セットプレーで1点だけだったのは前の選手の責任。個人的にもチャンスはあったのでそこは反省すべき」と言い切ったのだ。
 
 誰よりも結果にこだわってきた堂安。9月の代表デビューからの4試合でハイパフォーマンスを披露し、周囲からの注目度は今までとは比べ物にならないほど高くなってきた。しかし、ワールドカップの舞台で結果を残したわけでも、親善試合で誰よりも多くゴールを奪ったわけでもない。
 
 代表で絶対的な存在になるためには、まだなにかが足りない――。
 
「1試合1点取ることが目標だし、それができないとここで生き残っていけない。いくら内容が良くても結果にフォーカスをしないといけない」
 
 右肩上がりで成長を続ける20歳は、ベネズエラ戦の悔しさを胸に秘めて20日のキルギス戦に臨む。

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