マドリー、苦しみながらも6試合ぶりにリーガで勝利! Bチーム所属の18歳の超新星が悩めるチームを救う

2018年11月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

劇的に流れを変えたヴィニシウスの一撃。

83分にヴィニシウスが放った一撃は、敵DFに当たってゴールへ。 鉄壁を誇るバジャドリーの堅守を破ったのは、18歳のFWの意外性だった。(C)Getty Images

 現地時間11月3日に開催されたラ・リーガ第11節、レアル・マドリー対バジャドリーの一戦は、2-0でホームのマドリーが勝利を収めた。

 前半をスコアレスドローで終えたゲームは、後半がスタートして10分が経過したあたりから一気に活気づく。55分、先手を取ったのはマドリーだった。カリム・ベンゼマ、カゼミーロが立て続けにシュートを撃ち込むと、その1分後、今度はCKのチャンスからベイルが、その直後にはルカ・モドリッチがそれぞれシュートを放つ。

 いずれもDFのブロックやGKのセーブに遭い、ネットは揺らせなかったが、"ゴールの予感"は十分に漂わせていた。そして、その流れを敏感に感じ取った暫定監督のサンティアゴ・ソラーリは、このタイミングでカゼミーロを下げ、イスコを投入する。
 
「さらに畳みかけろ!」

 指揮官のそんなメッセージが込められた交代だったが、バジャドリーも負けていなかった。57分と66分には、MFのルベン・アルカラスとトニ・ビジャがそれぞれクロスバー直撃のシュートを放ち、79分には途中出場のダニエレ・ヴェルデも、強烈な左足のミドルでマドリー守護神ティボー・クルトワを脅かす。

 選手の顔ぶれだけを見ればおよそ信じがたいが、サンティアゴ・ベルナベウのピッチ上では、紛れもなく「互角の戦い」が演じられていた。

 リーガでは直近の5試合を1分け4敗という惨憺たる成績で終えていたマドリー。彼らの勝てない日々はまだしばらく続くかもしれない――。だれもがそう思いはじめた83分、ひとりの若者がスタジアムのムードを一変させた。

 73分にマルコ・アセンシオとの交代で前線に入っていたブラジル出身の18歳、ヴィニシウス・ジュニオールは、イスコから左サイドでパスを受けると、同胞の大スター、ネイマールを彷彿とさせる柔らかいタッチのドリブルで中央に切れ込み、右足でシュートともクロスともとれるライナー性の一撃を放つ。

 一度もゴール前を見ずに、ほとんど闇雲に蹴られたそのボールは、しかし、バジャドリーDFキコ・オリバスを直撃してコースを変え、ゴール左隅に吸い込まれた。

 幸運としか言えないオウンゴールによる1点だったが、この18歳の意外性に富んだプレーによって勢いを取り戻したマドリーは88分、ベンゼマが倒されて得たPKをセルヒオ・ラモスが落ち着いて決め、あっさり追加点を奪うことに成功。そしてリーガでは、実に6試合ぶりとなる勝利を手に入れた。

 16歳のときに60億円に近い金額でマドリーに青田買いされ、18歳の誕生日を待って入団したヴィニシウス。まだ荒削りな部分をたっぷり残すものの、「新しいネイマール」と言われるこの男が、あるいは悩めるマドリーの救世主となるのかもしれない。
 

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