「暴力のない歴史的な決勝を…」南米王者決定戦でのスーペルクラシコを前にアルゼンチン大統領らが必死の訴え!

2018年11月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

「成熟した姿を見せる機会だ」とマクリ大統領

パレデスとドリウッシが公開した肩を組んでの2ショット。この一枚で、ボカとリーベルの関係性が変わったことを強調している。 ※写真はパレデスのツイッターより

 南米王者を決める戦いは、激戦必至の大勝負となるだろう。

 現地時間11月10日と24日に行なわれるコパ・リベルタドーレス決勝。今シーズンのカードは、ボカ・ジュニオルスとリーベル・プレートによる伝統の「スーペルクラシコ」となった(グレミオがリーベルのマルセロ・ガジャルド監督が準決勝でベンチ入り禁止処分を受けていたにも関わらず、スタンドから無線機を使って指示を送っていたことを不服として異議を唱えたため、決勝のカードが変わる前代未聞の出来事が起きる可能性も微弱ながら残されているが……)。

 英紙『Observer』が「死ぬまでに一度は見たいスポーツイベント」の1位に選出するなど、世界屈指のダービーマッチとして名高い両者の対戦は、意地と意地がぶつかり合うことで、場外乱闘が起きることでも知られている。

 とりわけ、今回は史上初となるリベルタドーレス決勝での激突とあって、両軍のサポーターが早くもヒートアップしているのは言うまでもない。そのため、暴動などによる治安の面が不安視されている。

 それだけに、政府も警戒を怠らない。元ボカの会長で、2015年12月からアルゼンチンの大統領に就任したマウリシオ・マクリは、対戦が決まった後の11月2日、自身のツイッターで次のように呼び掛けている。

「歴史的なファイナルになる。お互いに成熟した姿を見せる機会であり、私たちアルゼンチン人が変わったこと、何事もなく素晴らしい試合ができることを示すチャンスだ。私は治安省に、両チームのサポーターがアウェーへ観戦に行けるようにするため、市の責任者と協力することを要請した」

 そんな大統領の想いに応えるように、ボカとリーベルの元選手たちも、サポーターたちに安全かつ美しい試合の開催を訴えている。

 現在、ロシアのゼニト・サンクトペテルブルクに所属するレアンドロ・パレデス(元ボカ)とセバスティアン・ドリウッシ(元リーベル)の2人は、かつてスーペルクラシコで鎬を削り合ったが、このたび互いのSNSで肩を組んでの2ショット写真を投稿し、次の言葉を添えた。

「僕らはライバルであり、敵ではない。暴力のない歴史的な決勝戦を楽しもう」

 南米王者を決める舞台で初めて激突する、アルゼンチンを代表する2つの名門チームは、互いの名を汚すような騒動を起こすことなく、雌雄を決することができるのか? 注目の第1レグは、11月10日にボカの本拠地「ボンボネーラ」で行なわれる。
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