「奇妙な点が多すぎる」“カカ2世”のミラン行き、フラメンゴの一部から不満噴出!?

2018年10月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

パケタとミランの契約内容に不満

端正な顔つきやプレースタイルから「カカ2世」と称されるパケタ。そんな逸材の放出はフラメンゴの総意によるものではなかったようだ。 (C) Getty Images

 ミランへの移籍が決まった逸材の売却に関し、問題が発生している。

 現地時間10月17日、ブラジルの名門フラメンゴからミランへの移籍が決定したのが、ルーカス・パケタだ。21歳の逸材アタッカーは、そのしなやかなドリブルと多彩なキックを武器に攻撃的なポジションを主戦場にするゲームメーカーで、あの元ブラジル代表MFのカカと比較される選手である。

 そんなパケタには、バルセロナやパリ・サンジェルマン、マンチェスター・シティなどが興味を示していたが、ミランはかつてフラメンゴでプレーし、現在はミランでゼネラルディレクターを務めているレオナルド氏の交渉力を活かし、あっという間に他クラブを出し抜いた。

 一部報道によれば、パケタと5年契約を締結していたフラメンゴは、違約金を5000万ユーロ(約65億円)に設定していたが、ミランは3500万ユーロ(約45億5000万円)+ボーナスに値引きさせ、さらに数回の分割払いを呑ませたと報じられている。

 しかし、フラメンゴ内部にはパケタのミラン移籍に不満を持つ人間もいるようだ。ブラジル・メディア『Globo Esporte』は、「フラメンゴの取締役会は、パケタのミランへの売却に関する取引を調査している」と伝えている。

 パケタの保有権は70%をフラメンゴ、30%を投資会社&代理人が持っていたため(南米で多いケース)、今回の取引でフラメンゴが受け取るのは3500万ユーロ(約45億5000万円)+ボーナスの70%に過ぎず、残りの30%は投資会社&代理人に渡ることになっている。

 これに不満を持つフラメンゴの取締役会は、改めて内部調査を実施。近くその内容をまとめるという。クラブの審議委員会議長を務めるロドリゴ・ダンシェ氏は、次のようにコメントしている。

「この取引に関しては不可解な点が多すぎる。移籍市場は来年1月に開かれるが、シーズン中旬から交渉が行なわれていたし、全体的な価格は契約解除条項よりかなり低い。実に奇妙だ。私は何が起きたのかを調べるために調査を徹底的に行なうよ」

 保有権の割合によって移籍金が配分されるのは当然だし、両クラブがシーズン中に移籍交渉するのもルール的に問題はない(禁止されているのは獲得を狙うクラブが、現所属クラブに黙って選手に接触すること)。フラメンゴの取締役たちが、パケタの保有権割合や移籍市場のルールをしっかり理解しておらず、半ばイチャモンをつけているようにも見えるが……。いずれにしても、調査の結果が待たれる。
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