W杯ライバル攻略法|脆弱な守備がコートジボワールの穴

2014年03月07日 堀秀年

最終ラインは縦にも横にもギャップが生まれ放題。

ベンチスタートだった主砲ドログバが不在の前半、コートジボワールは守備の脆さばかりが目についた。 (C) Getty Images

 ブラジル・ワールドカップでグループCに同居した日本代表のライバル、コートジボワールとギリシャは、3月5日の親善試合でどんな姿を見せたのか。

 日本にとって付け入る隙は? 警戒すべき武器は?

 アウェーでベルギーと戦ったコートジボワールを、現地で取材したフリーライターの堀秀年氏が検証した。

――◆――◆――

 コートジボワール代表はベルギー代表とアウェーで引き分けた(2-2)。あくまで親善試合であり、参考程度にしかならない。事実、この日のコートジボワールはまったく異なる2つの顔を見せた。ディディエ・ドログバのいない前半と、このエースが入った後半。それでも、示唆するものは多かった。

 ドログバ不在の前半は、
「我々がほぼ完璧に試合をコントロールしていた」
 とヴァンサン・コンパニが言うとおり、ベルギーが圧倒した。そして浮き彫りになったのが、コートジボワールの守備の脆弱さだ。組織はないに等しかった。

 左からアルトゥール・ボカ、ディディエ・ゾコラ、コロ・トゥーレ、セルジュ・オーリエと並んだ4バックは、ラインディフェンスの体を成していなかった。統率がまったく取れておらず、個々の判断のみで動くため、縦にも横にもギャップが生まれ放題。ベルギーの選手たちは、ワンツーで、あるいは逆サイドや2列目からの動き出しを絡めた連動で、オフサイドラインをほとんど気にすることなく、裏のスペースへと飛び出し、決定的なシュートチャンスを何度も作り出していた。

 日本に置き換えれば、香川真司や岡崎慎司、本田圭佑が、オフサイドラインを気にすることなく、自由自在に仕掛けられるということだ。香川がワンツーから飛び出せば、逆サイドから岡崎がダイアゴナルに走り込む。ニュージーランド戦では、本田のヒールパスから、うまく裏を取った岡崎がゴールを決めたが、そんなシーンを何度も作り出せる可能性が十分にある。

 34歳になるベテランGK、ブバカール・バリにも弱点がある。俊敏性を活かした鋭い飛び出しでスルーパスを防ぎ、シュートへの反応も素晴らしい反面、180センチと高さがあるわけではない。ここに付け入る隙がある。セットプレーでは、GKが届くかどうかギリギリの場所に蹴り、吉田麻也を飛び込ませる。ピンポイントで合わなくても、GKが弾いたこぼれ球を狙えるだろう。また、バリのキックはあまり飛ばず、精度も不安定だ。それを踏まえ、GKにプレスを仕掛ける、相手のゴールキックのときにラインを下げないといった作戦は効果的なはずだ。

次ページトゥーレ・ヤヤの対応策ははっきりと。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事