今年３月にマンチェスター・ユナイテッドからMLSのLAギャラクシーに電撃加入をした元スウェーデン代表FWのズラタン・イブラヒモビッチへの賛辞が止まらない。

　昨年４月に右膝の前十字靭帯を断裂したこともあり、そのパフォーマンスの低下が不安視されたが、37歳のカリスマストライカーへの心配は無用だった。MLSで25試合・21ゴールと圧倒的なペースで得点を量産し、実力がいまだ健在であるところを見せつけたのだ。

　アメリカを舞台に、自らの力を存分に見せつけているイブラヒモビッチだけに、欧州再上陸の噂が絶えず浮上している。とりわけ、騒がれているのが、古巣ミランへの電撃復帰だ。

　ミランのスポーツディレクターを務めるレオナルドは、「今は厳しい」と獲得を否定しているものの、イブラヒモビッチ本人は「世界中のクラブが俺を欲しがっているのは事実だ。ミラン？　俺的には全然オッケーだ」と発言し、ミラニスタたちに期待を抱かせている。

　来年１月の移籍市場に向け、注目されているイブラヒモビッチの去就については、サッカー界の枠を超えて、米スポーツ界のレジェンドも言及するまでに至った。コメントを発したのは、元NBAスターのスティーブ・ナッシュだ。

　LAギャラクシーと同じロサンゼルスを拠点とするレイカーズでプレーした経験もあるナッシュは、両親が英国人で、少年時代はサッカーをプレーしていたことでも知られている。また、MLSのバンクーバー・ホワイトキャップスの共同オーナーも務めるなど、無類のサッカー好きとしても有名だ。

　それだけに、MLSで異彩を放つイブラヒモビッチの一挙手一投足には興味津々のようで、「彼は驚異的だった」と賛辞を贈るとともに、再び欧州のトップリーグへ戻るべきだと主張している。

「LAギャラクシーは少し苦しんだが、ズラタンは最高だった。25試合・21ゴール・６アシストという結果が、全てを表わしていると思うよ。そして何より、彼は異次元すぎるんだ。MLSで、ワールドクラスの何たるかを見せつけたと思うよ。

　まだミランでも、インパクトを残せると思うね。MLSが彼を失うことは惜しいが、彼がもし、まだヨーロッパでプレーしたいのならば、それがいい。ミランへの復帰は彼にとって大きな移籍になるだろう。きっとまだ、大きなインパクトを残せる」

　NBAの往年のスターからも欧州復帰のススメを受けたイブラヒモビッチは、LAギャラクシーとの契約が2020年12月まで残っているなか、いかなる決断を下すのか？　冬の移籍市場では注目の存在となりそうだ。